常に多様性の最先端を走る国の1つ、ニュージーランド。
移民の受け入れも積極的に行っているので外国人の割合は多いですし、日本ではずっと問題になっている男女平等の観点でも女性の社会的地位は日本のそれに比べるととても高かったり男性の育休取得率も格段に高いものとなっています。
その他、LGBTにも寛容で同性婚は法律で認められているし隠さずにオープンに生きている人が多いです。
色々な人がいる社会が当たり前のニュージーランドではここにスポットが当たることもなんの不思議もないのですが日本ではまだまだマイノリティで弱者扱いを受けやすい「障害者」。
昨年、大手のスーパーマーケット カウントダウンが自閉症の支援団体のサポートの元 感覚過敏の人々を主な対象とした「クワイエットアワー」の実施を始めました。
それに続けとまたもや大手の会社が動いたのでまとめます。
今回のメインの仕掛け人はThe Warehouse
赤い看板が目印のニュージーランド大手のホームセンター、The Warehouse。
生活用品が衣類から電化製品やガーデニング用品までなんでもお手頃価格で手に入るお店で、私も日頃よく利用するなんでも屋さんです。
経営母体のThe Warehouse Groupも大きく、The Warehouse以外には文房具に特化したWarehouse Stationery・電化製品のNoel Leeming・スポーツ用品のTorpedo7といったブランドを展開している会社です。
Altogether Autism Hourとは
2019年12月に発表されたAltogether Autism Hour。
Altogether Autismのホームページによると、
The Warehouseは2020年初めに選ばれたThe Warehouse店舗にて「低刺激で自閉症フレンドリーな買い物の時間」を6週間にわたり試験的に開始する。その後全店舗に拡大するのが目標。
と書かれています。
詳しくどんなことをするのかは書かれていませんでしたが、今日店先でこの看板を見つけました。
水曜日の6pm-7pmの1時間が対象時間のようです。
看板や、ネット上の情報からは私が訪れたお店が試験店舗だったのか、それとももう全国で開始されたのか、はたまたどんなことをするのか詳細はわからなかったので情報が入り次第追記します。
サポートはAltogether Autism
The Warehouseとこの取り組みを進めているのがAltogether Autismという自閉症スペシャリスト団体。
主に自閉症当事者や家族、それから自閉症の人に携わる教師などの教育者・サポートワーカーやGP(かかりつけ医)などにアドバイスや相談に乗ったりしている団体のようです。
カウントダウンのクワイエットアワーの助言も自閉症団体が行っていましたが、障害者団体が大手の企業とタッグを組んで社会を変えて行っている様子が伺えます。
この活動による影響とこれからの他企業へのひろがりを期待
今回The Warehouseで看板を見つけたことでこのAltogether Autism Hourの存在を知ったのですが、驚きではなく「やっぱり始まったか」という印象を持ちました。
それはやはりさきがけのカウントダウンのクワイエットアワーの反響がいいから。
カウントダウンのところでも触れたのですが、きっかけは自閉症の人たちの感覚過敏によるショッピングの困難さというところにスポットが当てられたものなんですがいざ始めてみると予想以上の反響があったんだと思います。
感覚過敏ではない人の中にも低刺激の店内に安心を感じる人は多いんです。
一般市民が生活に欠かせないスーパーマーケットとホームセンターで業界の1,2を争う全国展開の会社が動くことで市民への認知の広がりは早いでしょうし、今回のThe Warehouseに限っては(まだ試験段階かもしれませんが)6-7pmと利用客も多い時間の開催になっています。
感覚過敏ではない人が作っている社会には過敏の人にとって生きにくさを感じる事があることを過敏ではない人はどうしても気づきにくいんですよね。
そんな社会ではまず「感覚過敏の人がいるんだ」と知る機会が必要。
そんな重要な機会の提供をクレームを恐れることよりも自ら実践していく大手企業にはやっぱり良い評価が集まる気がします。
そうするとこのいい流れが広がっていかない訳がないと思うんです。
次はどの企業が実践に着手するのか楽しみにしています。
参考文献
Altogether Autismのページ↓
The Warehouse Groupの多様性と包括についてのページ↓