KIWI LIFE of MOANA

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妊娠11週目で経験した自然流産、私の場合

この記事には先日残念ながら私が経験してしまったリアルな流産の経過を記したいと思います。

 

グロテスクな描写が苦手な方は先に進まないようにお願いします。

 

 

 

 

自分の悲しい体験をわざわざブログに残すワケ

まず初めに私がなぜあえて悲しい体験を、リアルな形で残したいと思ったのかですが、妊娠がわかってから、今まで開いたことのないウェブサイトを開く機会が増えました。

 

産婦人科のブログはとても為になります。妊娠初期に起こる症状、こんな時はどうすればいいのか、何が食べられて何はダメなのかなどなど、妊娠するまで知る必要のなかった情報がそこにはたくさんありました。

 

妊娠する人がいると残念ながら一定数起こる流産。その情報も目にする機会が増えました。早期の流産が多いこと、早期の流産では赤ちゃんに問題があってもともと長く生きられない命だからお母さんは悪くないこと、12週を過ぎると流産の確率が減ることなど、それも今まで私が知らずに生きてきた情報たちでした。

 

それらの情報は本当に本当に有益で、妊娠生活の糧になるものも多かったのですが、どこかリアリティに欠ける気がしていたのです。

 

特に流産の経験後、私は産婦人科のサイトではなく、個人のブログを探して同じような経験をした方の記事を読み漁りました。

 

流産してすぐの頃は家族や近しい友人であってもなかなか詳細を話す気分になれない人も多いと思います。ましてや悲しい出来事なので相手に気を使わせないか心配になる人もいるでしょう。

 

もしかするとどうして私だけこんな目に遭うのと怒りを持つ人もいらっしゃるかもしれませんし、悲しみで涙が止まらず誰とも話したくない人もいると思います。

 

そんな時ブログは誰と話す必要もない場所。だけど「自分ひとりだけじゃない」「こんな経験をした人もいるんだ」などなど、共感できる誰かをそこにみつけることができる場所でした。

 

今この記事にたどり着いてくださった方は同じように経験してしまってよりどころを探している方かもしれませんね。

 

そんな方には私はこうだったけどあなたはどうですか?と悲しみをシェアしたい気持ちでいます。

 

もし妊娠したばかりだったり、妊娠を望んでいてこの記事にたどり着いた方がいらっしゃったら、1人の妊娠経験者として残念ながらあなたにもこういうことが起こるかもしれないけれど、もしそうなってしまった時にこの記事を少しでも思い出して冷静に対応してもらえたらいいなと思っています。

 

 

11週までの私の妊娠の経過

ここに記すことは全て私が経験した自然流産です。

 

同じような妊娠の経過があっても1人ひとりケースは異なると思うので、あくまでも参考程度になさってくださいね。

 

私の妊娠がわかったのはちょうど5週目になる頃。

 

日本とニュージーでは医療制度が違ったり、妊娠経過チェックの頻度も違いますが、私の場合は5週目で血液検査をして妊娠反応があること、7週目に初めてスキャンをして胎児と胎児の心拍を確認しやっと確信と言った感じでした。

 

全体的につわりは酷い方ではなく、5〜6週にかけて酷い頭痛と匂いづわりがありました。

 

頭痛は妊娠したかも、という時期だったので薬も飲まず辛かったですが、匂いづわりは吐いてしまうことはなく、調理の時に気持ち悪くなってマスクをしながら調理したり、たばこの匂いに敏感になったり。意外とよく言われる炊き立てのご飯は大丈夫でした。

 

ちょうどニュージーランドではコロナ対策のロックダウン中で勤務していた学校は休校中だったので身体的にも精神的にもストレスの少ない中での妊娠初期を過ごせました。それもあってか気分が悪くなればすぐに横になったり家事もせず様子を見られたのでつわりが酷くならなかったのかもしれません。

 

大きい腹痛も微量の出血も一度もないまま11週目まで順調に過ごしていました。

 

 

 

11週4日目で初めての出血

学校がやっと再開し、不安ながらも働き始めた3日目の夜、晩ごはんが終わって少し経った頃から腹痛がありました。

 

うんちをしたい痛みではなく生理痛に似た感じの鈍痛。でも子宮が収縮してるのかなというギューっという痛みではなかった。

 

就寝前にトイレに行くと赤い血がトイレットペーパーに付きました。

 

出血を経験する人も多いというし、考えすぎもよくないといつも通り21:30頃ベッドに入りました。

 

普段起きることはほとんどありませんが、この日は23:00頃に目が覚めて、トイレに行くとまだ出血が。

 

「なんかいつもと違うなぁ〜明日は休もう」と決めて、1時間程起きていたけれど何もないし寝れそうだったので床に付きました。

11週5日目の夜

この日は仕事を休んでゆっくりしていたけれど、1日 特に出血も腹痛もないし、仕事を休むほどでもなかったかな〜なんて思いながらのんびり過ごして。

 

また夜の9時、就寝前に出血を確認。

 

今まで出血がなかったのに2日連続か、、、と不安に。でもお腹の痛みもないし昨晩同様ベッドに入りました。

 

約2時間後の11時過ぎ、また目が覚めてトイレに行くとまだ出血があって、お腹の痛みもあって。

 

今まで感じたことのない痛みでした。

 

排便痛でも生理痛でもなく、尾てい骨のあたりがドヨーンと痛い感じ。すごい違和感でした。

 

何度目かのトイレの時になんだかおかしいし何度もズボンを脱ぎ着するの面倒だからと長く座っていたんです。

 

時折来る排便痛もあって。

 

するとなんの前触れも腹痛もないままドバドバドバーっと何かが出るのがわかりました。

 

2秒くらいかなー?感覚的にですが。

 

みなさん分かると思うんですけど、うんちじゃないドロっと経血のものすごい版っていう感じ。

 

あーぁ、出てしまった。これはアカンかったやろう。12時だけど助産師さんに連絡しないとな、、、が私の感想。

 

それくらい不安とか全部通り越してこれはもうダメなんだろうなと諦めがつく感じでした。

 

助産師さんに電話した時は、自分が思ったよりやっぱり動揺していたようでうまく話せなかった。

 

なんとか伝えて、指示を仰ぐ。

 

「今の時間(夜中)だと、救急に行くしかないです。...ある程度覚悟して行った方がいいかもしれません」

 

助産師さんの選んだ言葉に「やっぱりか」と思いながら電話を切って。

 

ちょっとボーッとして「あ、パートナー起こさなきゃ」とベッドルームへ戻りました。

 

彼の身体を揺すって名前を呼び起きたか起きてないかもわからない彼に「Could you take me to the hospital?」と言ったことを覚えている。

 

文字通り飛び起きた彼は何も聞かず「Of course !」と言って。

 

その瞬間に堰を切ったように声を上げて私は泣きました。

 

多分時間にしてほんの1分くらいだけど永遠に感じるくらい抱き合って泣いた。

 

 

11週6日目の早朝完全流産へ

とにかく病院に行かなきゃ、と向かって着いたのは12:20頃。

 

受付で話す頃、私はもう正常さを取り戻していた。

 

流産したと思うので来ました、と。

 

コロナの影響で患者しか館内には入れないと看護師さんに車椅子を押されて病室へ連れて行かれた。

 

起こった事を説明するのはある意味英語でよかったかもしれない。流暢じゃないからか、なかなか言葉に感情が乗らない。

 

血液検査をして後でドクターが来るから待っててね、それまでにいつでもいいから尿検査に行ってねと言われ、少し待っていたけどドクターが来る様子もないし、お腹も痛くないし尿検査でもしとくか、とトイレに行きました。

 

絶対尿に血が混じってしまうなぁと思いながらもきっとそんな事病院の人もわかってるしやればいいかとか考えてました。

 

最初の方のおしっこは取っちゃダメって言うからカップ当てずにおしっこを始めて、止めた時違和感とほぼ同時に「なんか出る!」と思ってすごく急いで出てきたモノをカップで受け止めました。

 

多量の出血と共にどぅるんっと塊が。

 

トイレで1人で受け止めてしまったそれは赤ちゃんには全く見えないモノでした。

 

「あーぁ、全部出たんかなぁ、、、」ショックというよりも、わぁ!受け止めてしまった!!そんな感じでした。

 

流そうかと思ったけどせっかく病院にいるんだし、これが何か見てもらおうとカップを持ってトイレを出ることに。

 

私はどこか冷静で、でもやっぱり悲しくて。それでも病院に1人だし涙は出なかった。

 

トイレの中から彼にメールをして、また出血したこと、「何か」を受け止めてしまった事を報告。

 

病院到着から1時間弱の出来事でした。

 

 

トイレから出て、看護師さんが来てくれた時に「何か」を見せると一瞬驚いたような感じもしたけどとても冷静に、ドクターに見てもらうからとどこかへ持っていきました。

 

看護師さんは「検査に出すからラボに持って行ってもいいかしら」と私に了承を得に戻ってきたのですが、どうすることが当たり前のことかわからない私はyesとしか言いようがありませんでした。

 

またどこかへ持って行かれた「何か」をまた看護師さんが私の元に持って帰ってきて、「これ赤ちゃんと胎盤だよ」と教えてくれました。

 

検査に出すんじゃなかったのか?と思いながらも「もうすぐドクター来るから待っててね」とカップと赤ちゃんらしいその何かを置いて去っていきました。

 

もうその頃には夜中も4時をすぎていたでしょうか、やっとドクターに会えて説明を受けました。

 

・「何か」は赤ちゃんと胎盤であること

・見た感じから判断しておそらくもう全て出てきたと思われること

・流産が少しだけ始まったとか、まだもしかしたら赤ちゃんが生きてる可能性があるってことがもうないと思うということ

・だからフォローアップのために通院するなどの必要がないこと

・出血は1週間から2週間くらいは続くかもしれないけど、回復の度合いは人によって違うということ

・メディカルサティフィケイト1週間出してくれること

・breavment leaveという制度があること

 

沢山言われた後に、「赤ちゃん持って帰れるけどどうする?」と言われて。

 

どうするのが普通か分からず他の人はどうするの?と質問返し。

 

ドクター)持って帰る人もいるし、そうじゃない人もいる。

 

わたし)持って帰らないならどうなるの?

 

ドクター)この時期の胎児は早産にはならないから特別な処置はない(つまり廃棄)

 

わたし)持って帰るとしたらどうしたらいいの?

 

ドクター)ずっと持ってる人もいるし、どこかに埋めたりする人もいる。持って帰って少し一緒に過ごしてもしもう保管しないって決めたらここに返しにきてくれても大丈夫。すべてあなた次第よ。

 

そんなやりとりをして、やっぱり自分じゃ判断できないし彼と一緒に決めようと一旦持って帰ることにしました。

 

見た目では全く人間の形をしていなかったから、私はこれが胎盤だったのか赤ちゃんの身体なのか皆目見当もつかずにいるのだけれど、病院側はきちんと赤ちゃんとして扱ってくれて、尿検査用のカップから、白い小さな箱に入れ替えてくれました。

 

こんな風に流産を経験し、赤ちゃんを持って帰れる人がどれ程いるかわからないけれど、赤ちゃんと一緒にハンドメイドの小さな小さなオムツを添えて持たせてくれて。

 

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ひとつは赤ちゃんに、もうひとつは両親にって書いてあって、わたしたちこんな形だけど親になったんだなーってじんわりしたなぁ。

 

もう外は明るくなっていた朝6:00頃、私は小さな箱を手に退院。

 

妊娠生活、終了です。

 

その後の経過

 

流産の後の身体の回復は人それぞれだそう。

 

ドクターには1-2週間出血は続くことと出血は少なくなっていくけど多くなったり、お腹が痛くなったら通院する様に言われていました。

 

私の場合はちょうど1週間で出血は止まりました。途中でキツめの生理痛のような腹痛が1、2日ありましたがこれ以上続けば通院かな〜と考えていましたが出血も終わり腹痛もなかったので通院せず。

 

ちなみに1ヶ月と少し経ちましたがまだ生理は戻ってきていません。

 

生理が戻ってきたら、もう次の子どもを作る準備ができたっていうことだと助産師さんに教えてもらいました。

 

頑張ってもらっても構わない、と。

 

でも私はまだ全然そんな気になれずにいます。

 

これは身体の問題ではなくこころの問題でしょうね。

 

年齢的にも次を急いだ方がいいのかもしれないけど、「ん〜」て感じです。

 

これもきっと人それぞれかな。

 

おかげさまで、流産からすぐはたくさん泣いたし、なんでもないふとした時に涙があふれる事もありました。

 

2週間くらいは情緒不安定でしたが身体の回復とともに少しずつ悲しみが涙に変わることは減っていきました。

 

ホルモンも関係しているのかもしれないですね。わからないけど。

 

1か月経った今は今までの生活にひとつの悲しみを追加した感じで過ごしています。

 

また笑える毎日が過ごせるとはあの日は思えなかったけれど、時間が悲しみをうまく咀嚼してくれて今は一緒に居られる感じ。

 

この記事もだいぶ前に書き始めていたので覚えていたけれど、詳細はもう忘れて行っている。忘れることと忘れないこと、それを時間が分別してくれる感じかな。

 

流産したことは今後の人生忘れないことだろうけど、亡くした日の心の痛みの詳細は忘れていいのかもしれない。

 

たったひとつの事実は、わたしには子がいる、早く早くに亡くしてしまったけれど。それだけ。

 

水子供養なんてものはここにはないから、素敵な木と鉢植えを買って一緒に埋めて供養しています。オムツもひとついっしょに入れて。

 

 

 

 

以上私の流産の経験でした。

 

エンジェルベイビーになってしまった我が子への想いはこちらに綴りました。こちらの記事はリアルな描写はできるだけ避けて書いてあります。

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