私が住んでいるニュージーランドでは現在(2020.3)コロナウイルス COVID-19によりロックダウンが行われています。
国家非常事態宣言、警戒レベル4が始まったのが2020年3/25(水)の11:59PM。
実質的に国民の通常の生活が一変したのはつまり3/26(木)からです。
そして私が勤務する学校ではその週の月曜日3/23から休校が始まりました。
4週間続くと発表されたロックダウンは今日が6日目。
今感じている事をまとめて行きたいと思います。
これから日本や他の諸外国でもロックダウンするところが出てくるかもしれません。
国が違えばもちろん習慣も政府も国民性も規模も全てが違うので一概に今私が体感している事が皆さんのいる場所で起こる訳ではないでしょう。
それでも少し頭の片隅に入れておいてもらえると良いかもしれません。
ロックダウンとは
まずこのお話を進める前に現在ニュージーランドで居住者に求められている事を簡単にまとめます。
おそらく国によって多少ルールが異なると思いますので、あくまでもニュージーランド政府が居住者に求めているものです。
- 基本的に自宅にいる事
- 散歩やランニング、サイクリングOK
- 他人との距離2メートル以上!
大きく言えば、これだけです。たった3つ。
それでも日常とは全然違うんですよ。
少し細かく書きます。
- 基本的に自宅にいる事
→一般市民が外出していいのはスーパーへの日用品の買い出し、通院と薬局のみ。それらに対しては車の利用可。しかしショッピングもスーパーに入れるのは家庭から1人という制限がある。
→エッセンシャルワーカー(必要不可欠な仕事に従事している人)は会社から発行されたIDの携帯が必要。公共交通機関も基本的にエッセンシャルワーカーの為に運行継続。
- 散歩やランニング、サイクリングOK
→体を動かすことは積極的にするように推奨されている。しかし、ウォーキングやサイクリングの為に車に乗って大きい公園やビーチに行くのはダメ。あくまでも出発場所は自宅から。
→散歩やサイクリングの為に近所の知り合いと一緒に行う事は出来ない。一緒に居てもいいのは同居人(同じバブルの人)のみ。
- 他人との距離2メートル以上!
→スーパーや散歩途中に他人と近づく場面では最低2メートルの距離を保つこと。
私は全部守っていますし、周りを見ていても多くの人が守っているようです。
私の周りで起きている不便
たった3つのルールが私や周りに与えている不便は、やっぱり外出・行動に制限があることです。
・行きたい時に行きたい場所に行けない
・会いたい時に会いたい人に会えない
同居人との行動しか原則認められていない為、家族であっても違う家に住んでいれば会ってはいけません。
私がSNSで実際に目にした事態としてあったのは、
・1人暮らしの高齢者がスーパーのネット注文ができない
(パソコンが使えない人や、ネット注文の利用者が多すぎてかなり待たないと配送がない)
・1人暮らしの家族が体調不良になったり、定期の通院があるが車の免許がないため1人ではいけないが離れて暮らしている家族が送迎を行っていいのか
普段だったらなんの気にもせずに家族間での支え合いができる場面、それさえも支障が出ています。
私も心配している事の1つにそれがあります。
パートナーと2人暮らし。彼がもし体調不良になったら?車を運転できない私は彼を病院に連れていく事さえできません。
考えすぎると辛くなりますが、最悪の事態が起きた時に何ができるかを考えておくことはとっても大事です!
買い物自体は思ったほど不便はありません。
いつも以上に時間がかかったり普段はないルールがありますが、大抵のものは手に入ります。
もしこれからロックダウンが起こるかもしれない場所にいる人は、ロックダウンが発表されるとみんなパニックで買いに走るでしょう。ですからロックダウン開始まで耐えられる食材の備蓄が有れば焦っていく必要はありません。
逆にロックダウンが始まってしまったあと方が人も少なく落ち着いて買い物ができると思います。
大雨や地震などの災害とは違い、道路が通っていて物流も止まっていません。
必要な会社は動いていますので物も作られています。
水も電気も通ってるので、すぐに必要な物って意外とありません。
落ち着いて。
私が感じているストレス
したいことができない
人にとって、行動を制限されることがこんなにストレスなのかと、初めて体感しています。
普段何気なくしていた「買い物して帰ろう~っと」「気になってたカフェに行ってみよう」「週末はのんびりビーチで過ごすか」など、本当になんの特別感もない日常。
それができない非日常。
特に私は家遊びがあまり得意ではありません。
読書も映画鑑賞もネットフリックスだって私にとっては使えるアイテムではあるけども心から楽しめるものではない。
カフェでおいしいコーヒーとキラキラしたキャビネットスーツを眺めるのが好きだし、誰かが作ってくれるお腹を満たしてくれる美味しいご飯が好き。
ひたすらビーチを歩きながら貝殻を拾ったり、シーグラス探しに没頭するのも。
車がないからわざわざバスに乗って通勤する不便な生活でさえ楽しんでいたんだと今再確認しています。
事態の流れの速さについていく事と情報の錯綜
ニュージーランドで1人目の感染者が見つかったのが2/28。
勤務する学校で、「休校になるかな~」→「いつ休校になるかな~」と話していたのが3月の2週目。
「なんで休校にならないんだ?!」とスタッフの声が文句口調になり始めた3週目。
3週目の木曜日、3/20には持病のあるスタッフおよび70歳以上(もしくはそれに近い)は学校から欠勤するように話がありました。
3/21の時点では政府からの発表は感染者が学校から出ない限り休校にはしないと連絡があり、まだ休校ではないけれどマネジメントの先生方がバタバタしているのは一目瞭然で、学校が終わる時間にはほぼ確定的な言い方で「月曜日からは学校ないね」とスタッフは言い合っていました。
帰宅から数時間後には休校が決定。それとともに水曜日の夜中からロックダウンになることも決まった。
たった3週間。
ロックダウンの時点では死者も出ていないニュージーランドで、一体どうしてこんな事態になるのか、誰もわからないまま時間だけが進んでいく、そんな感じでした。
ただ、みんな事実を受け入れて淡々とやるべきことをやりましょう、そんな雰囲気だったことも確かでそこから怒涛のように情報が溢れてくるのです。
アーダーン首相の会見を見る機会も増えたし、テレビのしたの方に「BREAKING(速報)」の文字も。
何が起こっているのか、つたない英語で事実を知る事、それから自分はどうしなければいけないのかの情報を得るのに必死になりました。
今は少し落ち着いたニュージーランドだが、買い占めも起こったし市民のパニックは間違いなくあって。
政府からの情報は日本のそれと比べると断然 明瞭だったけれどそれでもパニックになったり、誤解があって情報の乱れもありました。
きちんとした情報が得られないこと(英語面の理解の問題と、誤情報による乱れ)は人を不安にさせます。
テレビ、ラジオだけにとどまらず、インターネット上でのニュースやSNSで一般人が簡単に情報を発信・拡散できる今の時代だから起こる不安かもしれません。
いつまで続くのだろうかという先の見えない不安
今ニュージーランドのロックダウンは4週間と言われていますが、4週間で終わるとは思っていない人が大半です。
いつ終わるかわからないって本当に不安。見通しだって今のところ4週間先まで。
それでもニュージーランド政府はきちんと「ロックダウンが始まって10日~2週間は感染者が増えることは想定している」と発表してくれているので、ロックダウンしているのに感染者は毎日増えて無駄じゃないか!という事は思わずに済み、みんなでその後の収束に向けて同じ方向を向けているように感じています。
それに加えて、政府からの給料保障の話もロックダウンとほぼ同時に発表されたことも国民が落ち着いて今生活できている大きな要因です。
それでもやっぱりいつ普段の生活に戻れるかわからないのは不安ですね。
会いたい人に会えない
国境のほぼ封鎖で航空会社もどんどん飛行便数を減らしています。
昨日からは日本への唯一の直行便を出しているニュージーランド航空が日本への直行便を当面休止しています。
乗り継ぎ便利用も他の国も国境を狭めているための乗り継いで帰国することもどんどんできなくなっています。
4月に予定していた一時帰国も取りやめたのですが、日本に居る家族や友だちにはいつあえるのでしょう。
帰国はお金も時間もかかる一大事なのでそんなに頻繁にできる事ではありませんが、日常当たり前のようにやっていた友達と会う事もできません。
人に会う事、家族以外の人と話すことや刺激をもらう事、違う街の空気を吸う事の大切さを痛感し、気分転換が本当に難しい状況だなと感じています。
メリハリのない生活
多くの人が多かれ少なかれ自分のルーティンの中で生活しているでしょう。
朝起きてから出勤するまでのルーティン、帰宅してから就寝までの過ごし方も毎日多少の違いはあれど毎日バラエティに富んだ生活をしている人の方が少ないと思います。
シフト勤務で毎日勤務時間が違ってもなんとなく朝シフトの日の過ごし方・夜シフトの日にする事、みたいなものがあるのではないでしょうか。
それらのルーティンが崩れると人は不安だったり不快感を感じるものです。
私のパートナーはエッセンシャルワーカーで今も仕事に行っています。
その為、私にとっては割と普段と近い生活を送れている方かもしれません。
普段でも学校の夏休みや春休みには私は仕事がなく、彼は仕事という生活を2週間するという経験があったので、休み中のルーティンに自分をはめています。
彼と一緒に起きるので生活のリズムも大きく崩れることはありません。
それでもこの事態は単なるいつものルーティンではないので多少なりともストレスを感じています。
ストレスを溜めにくくする事・ストレスの発散方法と向き合い方
色々お話しましたが、多くの人が同じようなストレスを抱えていたり、これから抱える事になるのではないかと思います。
ストレスで心をやられてしまっては、いくらコロナにかからなくても健康ではいられません。
私が今意識的にやっている事を紹介しておきます。
情報を得る時間と方法の制限
まず、時間がたっぷりできた事と事態がどうなるかわからない不安からテレビでニュースを見る時間や、Twitterでコロナウイルス関係のツイートや記事を読む時間がとてつもなく増えました。
先ほども言った通り、情報を得る事で安心できる事と逆に不安を増幅させるという事が起こってきます。
政府が出した情報をしっかりキャッチして指示に従う事は大切です。
コロナウイルスがどういうものでどういう症状になるのかを知り自分に症状が出ていない事を知ることも大切でしょう。
世界中に何人の感染者や死者が出ているのかを知る事も今後そうならない為に気を付けないとと思ったり、感染者や死者に思いを寄せる事やそんな大変な状況でも働き続けてくれている医療従事者に感謝することも大切なことです。
しかし、それらを得すぎると不安ばかりが先走りすぎる事になりかねません。
情報を得る事は大切ですが、そこにネガティブさや自分の気持ちがすごく揺さぶられる時は離れましょう。
私はとりあえず毎朝起きてから彼が出勤する7時までは新しい情報を得るためにテレビニュースをかけています。
新しく何人感染者がどの地区で増えたかといった事実を知り、彼が出勤してほどなくテレビのチャンネルは変えるか消してしまいます。
自分の生活をしましょう。
テレビで情報を得るのは彼が帰宅して夕方のニュースを「一緒に」みます。誰かと一緒に見る事で不安は軽減されると思います。
それからSNSとの付き合い方も。
普段からSNSに依存しておらず、今後も大丈夫だ!という人ももちろんいらっしゃると思いますが、私は普段から依存気味。そして今は四六時中みようと思えば見られる状態になっています。
有益な情報も多いので見ていますが、攻撃的な口調のものや内容がちょっと自分には受け止められないようなものが続くととても疲れてしまうので制限がかけられるのであれば進んでかけましょう。
あくまでも自分の心が平常でいられるものや楽しいものを目にするようにしましょう。
できる限り規則正しい生活とルーティンの維持とスケジュール作り
メリハリのない生活になりがちといいましたが、ルーティンが崩れると不安や不安定になりやすいので、大雑把でいいので自分の予定を組みましょう。
普段起きている時間を守る事、朝のコーヒーはいつも1杯ですか?それとも2杯?
私の朝のルーティンは起きたら一番に彼のお弁当を準備する事。
その間に彼が私のコーヒーを淹れてくれてテレビを見ながらコーヒーを飲みます。
7時過ぎから1人になり、8時までは自由時間(SNS)、そこからまず30分は家事をする。
ここまではほぼ毎日のルーティン。
そこからは毎日違うスケジュールを組みます。
ランチまでにやることを1つか2つ。
ランチを食べてから彼が帰ってくる4時半過ぎまでにやること1つか2つ。
彼が帰ってきてからは、夕食前に30分くらいの散歩、夕食それからはのんびり。
あくまでもガチガチには予定を詰めず、でもやることはいくつか考えておく。
やることがあるだけで心配事を考えずに済みますし、スケジュールを組みそれを実行することで充実感や自己肯定する機会も得られるでしょう。
毎日1つでも、どんな小さなことでも「自分が決めたことができた!」と思える環境を作るといいと思います。
さてあなたはこの後何をしますか?
やりたい事・できる事・やらないといけない事・やってみたい事の整理
ルーティンを作ったり、スケジュールを決めてみたり工夫をしてみてもやりたい事がない!という方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
私は普段、外に行く事の方が好きなので、「家でやりたいこと」ってあまり見つからなかったんです。
でも家の中や限られた条件でやりたい事ってなにかな、自分の得意な事や好きな事って本当に外でしかできない事なのか?と考えてみたのです。
・外食ができないなら家で美味しいご飯が食べたい、という希望
・パズルや計算が好き、という自身の特徴
→美味しいものが食べたいなら作ろう!という事と、買い出しにできる限り行かないで行こうとするのであれば、手持ちの食材で一体何食作れるのだろうか考えてみよう!
今までは毎日作らないといけないから考えていた献立作りが楽しくなりました。
それでも自分の心が動くほどやりたい事ってそんなにないかもしれません。
でしたら家でできる事とやらなければならない事を書きだしてみましょう。
これは意外とあると思います。
できる事⇩
・読んでない本がある
・日本から持ってきた折り紙があったな
・子どもの頃に買ったカードゲームまだどこかにあるかな?
・YouTubeでヨガやダンスの動画をかけて一緒にやってみる
・昔ハマってた趣味
・ランニングを再開してみる
・お菓子作りの材料はあるかな
・英語や新しい事を勉強してみる
とにかくできる事を考えてみましょう。その中からやることを決めて行けばいいです。
それからやらなければいけない事⇩
・掃除、洗濯など通常と変わらない家事
・普段後回しにしがちな家事、キッチン周りや念入りなお風呂掃除、カーテンの洗濯、靴磨きなど
・試験勉強など期限が迫っているもの
これだけアクティビティがあれば意外と予定は埋まっていくのでダラダラと過ごす事はなくなり、充実感のある毎日になると思います。
自分時間の設定と社会活動時間の確保
同居人としか会う事が許されない、とても狭い人間関係の中での生活を強いられます。
また、24時間ずっと同じ人と同じ空間に居なければならない人も出てくるでしょう。
それが気にならない人は構いませんが、私は苦痛を感じがち。
仕事がなくなったり、趣味の場がなくなったり、しいては何気ないスーパーでの店員さんとのおしゃべりもなくなり今まで意識していなかったとしても社会的な繋がりを失っている人は多くいるでしょう。
人間にとって、社会との繋がりや社会での役割って大切なんですよね。家族だけではなく。
友だちや同僚も私たちの生活の一部です。その人たちとの繋がりを続けましょう。
私は、
・日本の友達や家族と電話をしたりメールをしたりする頻度を増やす
・ニュージーランドにいる友達と電話で話す
・同僚とはテキストやFacebookで情報をシェアする をしています。
気心の知れた人がやっぱりリフレッシュできていいかなと思います。
それと同じくらい大切なことが自分時間もしっかり持つ事。
私はパートナーが変わらず通常勤務の為、日中は1人でやりたい事が出来ていますが、おそらく彼もいっしょにロックダウンになるとお互いしんどくなる気がしています。
誰かとずっと一緒にいる状態の人はあえて個別の時間を作ってみると良いと思います。
なにか没頭できる事や無になれる事があればそれをやりましょう。
私は、
ブログを書いたり、歌を歌って発散しています。
自分の心に耳を傾ける
最後に大切な事。
上記のように色々工夫しても、自分でも知らない間にストレスは溜まっています。
こんな非日常でも何の影響も受けない人の方がきっと少ないと思います。
それでいい。それで当然。ただ、そんな自分に気づいてあげてください。
自分の事でも日々必死になっていると気づかなかったり、気づかないふりをしているかもしれません。
急に不安になったり、悲しくなることもあるでしょう。そんな自分を受け入れることが大切です。
「あ、自分しんどかったんだ」「こんな時に悲しくなってるな」と知るだけでもオッケー。
それに気づいたら、そうならないように回避することもいいですし、私はそれをあえて刺激してしまう事もありだと思っています。
具体的に言うと、涙。
流れるものは流せばいい。
無理に止めるとまたそれがストレスになります。
ストレスが溜まって来たな、と思う時あえて悲しい映画を見たり感動する映画をみて泣くと、泣いた理由がストレスの理由とは違っていても少しすっきりすると思います。
女性は特にホルモンのバランスによって感情の起伏もあるとよく言われますが、私はロックダウンが始まって1日目から5日目まで、1日の間にふと感情的になる時があって、5分ほど泣くことがありました。
「自分疲れてるんだな~思った以上にしんどくなってるな~」と泣きながら半分冷静に。
みんな初めて経験するようなことだから、いつもと違って当然です。
ずっと気を張って頑張る必要はありませんよ。
今後日本で起こるかもまだわかりませんが、もしもロックダウンになったからといって気持ちまで全て閉じ込める必要はないのです。
ルールは守りながら、各自楽しめる事を探しながら楽しく生きましょう。
もしロックダウンで辛い事がある人はどうぞTwitterで連絡をくださいね。
誰かと話すだけでもきっと楽になると思いますので。
【NZに単身で来てる方へ】
— にゅーじーのまゆみちゃん🐑ピアス作りと福祉のおしごと (@mayumi_auckland) 2020年3月23日
心細いおもいしてませんか?
不安に襲われていませんか?
誰かと話したい、そんな人はどうぞ私にご一報ください😊
大した事は言えませんが、話は聞けますし不安は一緒に減らしましょう😉
今まで色んな人の話を聞いてきた経験と寄り添ってきた経験が少しばかりあります。
またみんなが家族や好きな人と笑って再会できるように頑張りましょう。
ではまた、See you!
YouTubeでお話させていただいたのはこちら⇩
【 ロックダウンの国から!】ニュージーランド在住mayumiさんに生活の変化を聞いてみた。