ロックダウンから1週間、私が働く特別支援学校も休校になってから10日経ちました。
今日もオークランドはいい天気で、ロックダウン中という事もあって家の周りはほとんど人も歩いておらず、のんびりとした空気が流れています。
今日は今回のコロナウィルス COVID-19の騒動に関して私の働いている学校がどういった対応をしているかを末端職員ではありますが私の視点でまとめて置こうと思います。
私が勤務している学校
オークランドの公立の特別支援学校で働いています。
Base(ベース)と呼ばれる基幹学校が2つあり(もともと2つだった学校が数年前に合併したため)、Satellite(サテライト)と呼ばれる普通学校に併設されたクラスが6カ所の学校にあります。
クラスは全部で約20クラス(年度によるよう)。
子どもたちの障害は、身体障害・知的障害・発達障害など様々です。
私は現在、脳性麻痺で車いす利用をしている子と発達/知的障害の子がミックスされたクラスに配属されています。
私のポジションはティーチャーエイドといって、先生の指示の下クラスの補助をする補助教員。
普段、ティーチャーエイドに連絡が回ってくるには、
校長先生
⇩
マネージメントチームの先生
⇩
担任の先生
⇩
ティーチャーエイド
という組織図です。
ロックダウンまでに起きた学校からの対応
ニュージーランドでは3/26からロックダウンが開始したのですが、その2日前の3/24から学校は休校になっています。
急激に政府の対応が進んだので学校もバタバタしていたと思いますが、私(末端職員)に起こったこと。
2/28(ロックダウン決定まで約3週間)
・ニュージーランド初めての感染者がオークランドで出る
→学校通常開校
3/18(ロックダウンまで1週間)
・事務担当職員から全スタッフに健康チェックと緊急連絡先の確認フォームが送られる
→ぜんそくや糖尿病、高血圧や低血圧といった基礎疾患を持っているか
→緊急連絡先は入職時に届けているが再度確認
「できるだけ早く返信してください」と記載されていた。
・事務職員からの連絡に校長先生からの言葉が一緒に添えられている
→「異常事態に不安を覚えるスタッフもいるでしょうが、学校はいつもスタッフの味方です」
→毎日教育省の人とコンタクトを取っている事
→今のところ、学校内で感染者が出るか、教育省から直接休校命令がない限り通常通り開校する
→もし休校になってもスタッフの給料はいつも通り支払われる
☆近くの学校から感染者が出ていたこともあり、スタッフ間ではそろそろかという雰囲気が溢れていた。「休校になったら給料は支払われるのか」という疑問はすでに不安として話題に上がっていたが休校指示が出るのを待たずに校長先生から給料保障についての言及があり、胸をなでおろした。
3/23(月)朝(ロックダウンまで3日 学校最終日になるがまだ休校決定前)
・多くのスタッフが欠勤・生徒も半数ほど欠勤
→数日前から生徒に関してはもともと身体や免疫が弱い子を中心にちらほら欠席が増えていたがこの日はごっそり半数ほどが欠席。
→スタッフは、健康チェックで基礎疾患を持っている項目にチェックしたスタッフには前日に校長先生から連絡があり、自宅待機が言い渡されたそう。
3/23(月)昼過ぎ(首相による警戒レベル3が発令される)
→政府の会見の情報を得たスタッフから警戒レベル3が出て48時間後にロックダウンが始まるという噂が瞬時に広まり、明日からもう学校ないなという情報を得るが詳細ついていけず混乱する。しかし周りも混乱していたので詳細が分かるまで聞かない事に。
→普段は違う場所で勤務しているマネジメントの先生たちがバタバタしていてとても緊張感があった。
→私の仕事が終わる時間までには学校からの通達はなし。でも他のティーチャーエイドから「もう明日は来なくていいよ~」と言われ困惑。正しい情報がわからない!
→担任の先生と連絡先の確認・Facebookの友達申請
→日本人の同僚に確認「担任の先生から明日から学校休みと連絡があったよ」と教えてもらう
☆警戒レベル3は学校が閉まるレベルだったそうで、首相会見でレベル3が出た時点で休校になることは決まっていたようです。
それを知らなかったので休校が明日から行われるのか分からなくて混乱しましたが、これまでも必要な情報は校長先生の名前付きでメールが来ていたので待つことに。
3/23(月)夕方(休校決定、ロックダウンまで2日)
・校長先生からメールが来る
→警戒レベル3になったので、もう今学校は閉鎖状態であること
→給料は普通通り支払われること、有給休暇の使用ではなく特別休暇であること
→休校中の連絡先の確認(何かあった時にどこに連絡すればいいのか)
・休校中スタッフに求めるもの
→スタッフ間の繋がりをもつこと
→1週間に一度は先生は生徒の家族に連絡を入れる事
→1週間に一度は先生はティーチャーエイドにメールか電話をする事
・オンライン学習について
→先生たちはSeesaw(シーソー)と呼ばれる、先生・保護者のフェイスブックのような共有サイトに毎日家庭学習用のアイデアを投稿する事
☆以上の通達でやっと休校が現実味を帯びた私。校長先生から、お給料についての再提示・困ったらどうしたらいいかが困る前に伝えられて安心感があった。休校の間もスタッフと連絡を取り合うように指示もあり、繋がりを感じられる環境にありがたみを感じた。
☆通常の学校ではロックダウン開始前に、オンラインで授業をする体制を整えるために各家庭にインターネットやデバイスの確認をしたり、先生方が慣れないオンラインでの授業をどうするかということで大慌てだったと知り合いから聞いていたが、私が働いている支援学校では普通学校のように授業を受けられる生徒はほとんどいない。
人との関わりの中で学ぶ事が多い生徒に対してどうするのかな、と思っていたが保護者次第というところは否めないが先生たちが家庭でもできるアイデアを家族に提示して学びの機会をなんとか維持しようとしている事が伺えた。(私はそのSeesawを自由に見られる立場にないのがなんとも残念!)
ロックダウン開始後
今日、休校になって10日目です。
毎週学校から送られてくるニュースレターは引き続き送られていて、校長先生の言葉が添えられています。
その他、事務スタッフからウイルス関連のニュースがシェアされ、「学校の一員だからメッセージをシェアするわね」と毎日か2日に1回は何かしらメールを受け取っています。
そして本来だったら4/10~秋休みの予定だったのですが、秋休みを前倒しし3/30~秋休みと変更になる連絡が入りました。
つまり通常でも仕事がない時期。ホリデーです。先生陣ももちろん校長先生もお休みです。
そんなホリデー開始から3日目、1件の電話が。
まさか校長先生でした。
「大丈夫?ロックダウン中はどう過ごしてる?」と言った内容。
パートナーと住んでいるけど、彼がエッセンシャルワーカーで働いているから日中は1人な事や、不安はあるけどテレビを見る時間を制限したり友達と話したりしてストレスを溜めないようにしてるよ、と報告。
「日本の家族は大丈夫なの?都市部に住んでるの?」と私の家族の事も聞いてくれました。
約20クラスある学校、担任とティーチャーエイドが各4人~5人くらいそれからOT/PT/STといったセラピストチームにリリーバーという臨時スタッフに事務関係のスタッフなど総勢150人くらいはいるんじゃないかなぁ?の一人ひとりに自ら連絡をくれたのでしょうか。
こんな事を校長先生にしてもらえると思ってなかったので驚きと嬉しさ、信頼感がすごい高まっています。
そして今日は担任の先生からも電話が入りました。
他のティーチャーエイドからはFacebookで面白い動画がシェアされて来たりして繋がりを持つ事が出来ています。
この学校の対応から思う事
正直、今まで先生とうまくいかない事もあったし、その都度上の人に相談してもすっきり解決しない事の方が多くてマネジメントの先生方に対してあまりいい印象を持っていなかったり学校に対してもティーチャーエイドはあまり大切にされていないと感じていました。
しかし、このコロナ騒動一連の校長先生の指揮はとてもわかりやすく、また全スタッフを含めた学校全体で一丸となってこの事態を乗り越えなくてはいけないという考えを感じる事が出来ました。
一応今のところは今回のロックダウンは4週間と言われていますが、まだ先は見えていません。
いくら教育省と連絡を取っているとはいえ、きっと校長先生もまだそんなに大差のない情報しか持っていないのではないかと思います。
それでもまたロックダウンが終わる前に連絡すると言ってくれていたし、今はもう校長先生を信頼して待つしかないな、と感じています。
もちろん不安がないわけではありません。今は普段通りもらえているお給料だってずっと学校が開かなければどうなるかなんてわかりません。
でも今はただロックダウンが終わる日を待つのみ。
トップが今の校長先生で良かったと思っています。
先に不安を取り除く提言をしてくれ、見通しが立つようにしてくれましたし、きっとわからないこともあったでしょうが分かり次第すぐに連絡が入っています。
私ができる事はただStay Home, Safe Lives。
みなさんも気をつけてくださいね。
ではまた、See you!