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世界の果てニュージーランドからKIWIとの国際恋愛や日常生活、それからニュージーの福祉/教育を発信!ワーホリ・ギリホリの人を応援したい情報ブログ。

転職して一か月。Teacher Aideの仕事のあれこれ。お給料も大公開!


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一か月ちょっと前に面接を受けに行った話をしたんだけど、その続編みたいなものを書いてみます。

 

どうも、ニュージーランド在住8年目のMayumiです。

 

受けた面接の話はこちらから。

www.kiwilifeofmoana.com

 

 

面接を受けて数日後に合格の電話を受けて、すべての手続きを済ませ前職に退職の旨を伝えてちょうど一か月前の3月21日から新しい場所での仕事が始まりました。

 

 

前職と同じTeacher Aideという補助教員のような立場のポジションなのですが、前職と違うことがたくさんあるので書いていきたいと思います。

 

ニュージーランドでティーチャーエイドの仕事をしてみたい人の参考になれば幸いです。

 

前の仕事の様子は一番下に貼っておきますのでそちらも参考にしてください。

 

働いている場所はどんなところ?

わたしの新しい職場はオークランドの公立高校です。

公立高校の中にスペシャルニーズのある生徒たちが所属しているユニット(以下センター)があり、わたしはそこのセンター所属のティーチャーエイドです。

 

生徒数は高校全体で1800人近くいるマンモス校なんですが、スペシャルニーズのセンターに所属している生徒は約60人ほど。

 

校内の一角に専用の建物があり、そこに6クラスの教室と食堂/キッチン、集会などができる大き目の多目的室、保健室、クワイエットルーム、OT.PT.SLTのスペシャリストの部屋、スタッフルーム、トイレがあります。

 

生徒の年齢は、14歳になる歳から21歳まで。

ニュージーランドと日本では少し学校制度が違うので、14歳って日本だと中学生ですがそこについては割愛します。

 

就業条件

Teacher Aideといっても学校によってや人によって雇われ方は違うと思うので参考までに。

 

わたしのポジションは先ほどからお伝えしているとおり、Teacher Aideです。

 

パーマネントのポジションですが、パートタイム。

 

学校が開いている間のみの契約で、春休みなどの学期間のお休みの間は仕事がなく、給料の支払いもありません。

 

週32時間の契約で、毎日20分の有給モーニングティー休憩と、無給のランチ休憩があります。

 

休憩は、生徒からも完全に離れてしっかりとれる環境です。(←これ日本で障害者施設で働いてるときは皆無だったこと)

 

会議の有無で始業時間は日によって違うのですが、終わる時間は3:20なので夕方の時間が割と長く持てるのもいいところです。

 

お給料はどんなもの?

気になるお給料ですが、それはこちらをどうぞ。

Part 3A Teacher Aide Remuneration – Education in New Zealand


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実はTeacher Aideのお給料はMinistry of Education(教育省)で決められています。

 

条件はありますが、学校間で転職した場合、前職校で働いていたグレードは保持されることになっていて、わたしの場合も前と同じグレードが引き継がれました。

 

表を見てもらったらわかるように、一番下のグレード/ステップで$25.18でステップが上がると時給も上がるシステムです。

 

2024年4月現時点でのNZの最低賃金は$23.15なのでそれと比べると少し多めにもらえる感じでしょうか。

 

 

どんな仕事をしてるのか

わたしはセンターにある6クラスの内の1クラスに所属しています。

生徒数は9人。

担任の先生と、Teacher Aideがもう一人の3人のチームです。

 

センターの時間割はメインストリーム(普通校)と同じ時間割で月曜日~金曜日まで毎日5時間目まであります。

 

センター内では、英語(読み、書き、理解)、数学、クッキング、体育、アートなどのほかに、文化を学ぶ時間や感情について学ぶ時間などもあります。

 

先生によって授業が展開されていくのですが、そこで課題などが出たときに一人でこなすのが難しい子がいるとお手伝いするのがTeacher Aideの大きな仕事の一つです。

 

ただ、なんでもかんでも答えを教えたりするのではなく、あくまでも生徒の自立をサポートする形で、困ったときやわからないときに聞けるような環境を作ったり声をかけたりしています。

 

障害によっては間違えるのがとても苦手な子もいますが、間違えても大丈夫なことを伝えたり、一緒にやってみようかなどの声掛けをすることも多いです。

 

実は前の学校ではほぼアカデミックな授業がないクラスにいたことがほとんどで、今まで英語で英語を教えたり算数を教えたりした経験がなく今の学校にきたのですごく不安でした。

 

特に算数。+-×÷もちろんできますし、分数なんかも理解はしているので自分で問題は解けるんですが、それを教える語彙力が皆無!!!!!!!!!

 

日常生活で使わない英語で苦戦しまくりですが、調べながらなんとか伝えています。(ここは完全に今の私の課題です)

 

アカデミックなことに関してはまだまだ手探りでやっていますが、ほかの授業では一緒に楽しみながら必要に応じてサポートする感じです。

 

集中力が続かなかったり、感情的になったりで授業に集中できない子がいれば声をかけて教室の外に出ることもあります。

 

話を聞いたり、気をそらしたり、時には厳しい声掛けをしたり場面によってそれぞれです。

 

授業のサポートでいうと、センターに通う生徒はみんな何かしらのニーズを抱えているのですが、障害の程度でいうと、中軽度の子たちも多く所属しています。

 

ふるまいにそこまで大きな問題がない生徒はメインストリームの授業を受けることができるようで、わたしのクラスからも半数がいくつかのメインストリームの授業に参加しています。

 

その時に一緒にいってサポートするのもTeacher Aideの仕事。

 

他のティーンたちに混ざって一緒に授業を受けて担当の生徒がサポートが必要な時には説明して課題に促したりします。

 

わたしは今のところクッキングとアートの授業しかメインストリームへの付き添いしたことがないのですが、高校の授業って難しい...。悩

 

 

授業のサポート以外には、センター内で休み時間にDutyといって、トイレの見回り係や食堂の見回り係などが当番で回って来るのでその時は自分のクラス以外の生徒のお手伝いもします。

 

それ以外では、先生が準備したプリントなどをノートに貼っておいて欲しいと頼まれたり、コピーをとったり、印刷物をラミネートしたり、生徒が学校で使うノートパソコンを充電したりなんかの雑用的なこともやります。

 

身辺自立している生徒がほとんどなので、トイレ介助や食事介助はすごく少ないですが、それもありますし、服薬している生徒もいるので服薬管理もあります。

 

感情のコントロールが難しく、パニックや癇癪がある子もいるので、その場合は対応もします。先生も対応できるときはしてくれますが、基本的に先生は授業を進行する役目があるので授業中にそういうことがあるとTeacher Aideが対応することがほとんどです。

 

担任の先生からのお願いで、入職して早速クッキングの授業をやりました。次の学期もクッキングは役目がまわってきそうです。

 

文化の授業もあって、先生1人ですべては教えられないので日本のこともやってほしいといわれているのでどんなタイミングでどんなことができるかなとうっすら考えたりしています。

 

 

こんな感じでいろんな場面でいろんな生徒のニーズに応えながら学校生活をサポートするTeacher Aide。まだ1か月なので生徒との関係づくりの日々で手探りだらけですが、自分の立ち位置だったり、わたしだからできることも少しずつ見つけていきつつ、生徒の成長を見守っていけたらいいなと思っています。

 

 

 

 

前の職場の様子はこちら

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何年ぶりかに面接を受けてきた


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先日ニュージーランドで5回目となる面接を受けてきました。

 

あ~緊張した!

 

今回受けてきたのは普通高校に付随している特別支援ユニットのティーチャーエイドのポジションの面接。

 

今は特別支援学校のラーニングアシスタント(ティーチャーエイドと同じポジションで学校によって呼び方が異なる。補助教員のような立場で子供たちの学校生活全般のサポートをします。)として働いているのですが、働いている期間が長くなってきたのでそろそろ新しい環境に移ろうかなということと、今に学校は小学生の年齢、5歳から高校生+の21歳までが在籍していて、希望の学年や障害種は聞いてはもらえるもののなかなか希望通りのクラスに配置されることは難しいのが現状。

 

そういうこともあって、だったら希望の年齢層の子供たちが通う学校にアプライしてみるしかない!

とCVとカバーレターを送ったのです。

 

そして運良く面接に呼んでもらえたので行ってきましたよ。

 

面接の様子や内容を残しておきます。

 

もしもこれからニュージーランドで学校職に就きたい方がいれば、少し参考にしてもらえたら幸いです。

 

 

面接の様子

面接の会場には15分ほど早く着いたのですが、面接に来た事を伝えるとオフィスで待たせてもらえました。

 

待ってる間に書いておいてと書類を渡されたので、記入しながら待ってると終わる前に呼ばれたので面接室へ。

 

(書類記入に時間がかかったので早く着いて良かったです。)

 

面接官は2人。

 

特別支援学校ユニットのトップの方と、Associate Principal 日本で言うところの教頭先生?副校長先生?にあたるポジションの方でした。

 

質問開始!

今日は面接にきてくれてありがとうございます。みたいなスモールチャットがあって、これから私と彼女(もう1人の面接官)交互に質問していくので答えてね。という感じでした。

 

質問されたことはこちら↓

•志望動機と自分の強み

•今の学校でやっている仕事

•チームで働く上でもっとも大切だと思うこと

•生徒の問題行動が起こったとき、どういう対応をするか

•今のお給料のグレード

•質問などあれば

 

 

志望動機と自分の強み

志望動機は面接で聞かれることが多いので考えている人がほとんどだと思います。

強みは自分の性格やこの仕事に生かせる知識や経験を中心に伝えました。

 

具体的には、

•Patient 

•Observation 

•Non-verbal communication が得意

なんかを挙げておきました。

 

この辺はCVにも書いたので答えやすかったですね。

 

今の学校でやってる仕事

私は勝手にティーチャーエイドの仕事ってどこの学校でも同じようなものなのかと思っていたので、今さら何を答えるんだ?と思ってしまったのですが、それを細かく。名前のつかない仕事を説明するのがちょっと難しかったです。

 

チームで働く上でもっとも大切だと思うこと

ひとり仕事がほぼない仕事なのでこれも重要。準備していたわけではなかったけど咄嗟に答えられて良かったかな。

 

生徒の問題行動が起こったとき、どういう対応をするか

面接官の質問の意図はどこだったのかな、と思う質問でした。

 

問題行動への対応って難しくて、簡単に答えられるような正解はないと思うし、状況によっても対応は変えるので正直回答に困りました。

 

なので「状況によりますね。」と答えると「そうだよね、具体的な例を挙げてもらったら良いよ」と言われたので状況と自分がする対応を挙げました。

 

考えて行動できる人かどうかを知りたかったのかな、と思ってるけど実際はどうだったんでしょうね。

 

今のお給料のグレード

NZのティーチャーエイドのポジションの雇い主の大元は、ほとんどの場合その学校ではなくMinistry of Education なんです。

 

お給料の枠組みも決まっています。

 

基本的には学校から別の学校に行く場合、前任校からのお給料グレードが引き継がれることになっているみたいなので私のグレードが学校側が探しているグレードかどうかの確認だったと思います。

 

ここが給料交渉のタイミングだったのかもしれないのですが、私は交渉せず今回は終えました。

 

 

 

最後に先方から数日の間に連絡しますね、と伝えられて面接は終了。

 

面接時間はだいたい20分くらいだったかなと思います。

 

 

 

 

基本的にティーチャーエイドのポジションは資格は要りません。

 

働けるVISAがあれば雇ってくれる学校も多いと思うので、もしNZの学校で働いてみたいという方はぜひチャレンジしてみてください。

 

 

 

【ニュージーランド 特別支援学校】コロナ休校からの学校再開、1週間が過ぎて

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コロナ(COVID-19)の影響を受けニュージーランドでは学校を2020年3/24(火)から全国で一斉に休校が始まりました。

 

結果的に8週間続いた休校措置がついに先週5/18(月)に全生徒に向けて明けたので、ニュージーランド特別支援学校再開にあたっての様子をまとめてみます。

 

 

ニュージーランドの休校開始から学校再開までの流れ(全学校)

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コロナ(COVID-19)の影響を受けニュージーランドでは学校を2020年3/24(火)から全国で一斉に休校にし、特別支援学校も例外なく門を閉めた。(決定が発表されたのは前日の3/23)

 

その時点では学校がいつ再開できるのかの見通しは立っておらず、2日後の3/26(木)から4週間に渡る警戒レベル最大の4 ロックダウンが始まった。

 

「学校は警戒レベル2にならないと再開できない。」それだけがわかっていた。

 

ロックダウンの効果は見られたが政府の判断により、ロックダウンは当初の予定より4日延長され4/28(火)に一段階レベルを下げてレベル3になった。

 

レベル3は少なくとも2週間続けると発表があったので学校の再開は早くてももう2週間先に。

 

そしてレベル3になってから2週間が経った5/11(月)、5/14(木)からレベル2に下げる事、学校の再開はレベル2になってから最初の月曜日つまり5/18ということが正式に決まり、晴れて5/18学校の門が8週間ぶりに全ての生徒に開かれたのです。

 

レベル3時の特別措置

休校から5週間経った4/28にロックダウンが解除されレベル3になったけれど、実はその時に学校を一部再開できる状態になりました。

 

ロックダウン期間中はエッセンシャルワーカーと呼ばれる人々の生活を守るために出社して働かなければならないと国から認められた会社や社員のみが自宅外で働ける状態でした。

 

エッセンシャルワーカーにあたるのは医療従事者やスーパーマーケットの従業員のほか、その人たちを輸送するために電車やバスなどの公共交通機関関係者や物流を止めないように物流関係・食品を作る会社も動いていました。

 

しかしそれらはごく一部の人たちであり、多くの人達は休業や自宅からのリモートワークに切り替える事になり、ほとんどの人が自宅にいる生活でした。

 

それがレベル3に緩和されレベル4に比べ多くの人が外に仕事に行くようになりました。

 

つまり、両親共に出勤するケースが増えたのです。

 

ニュージーランドでは14歳以未満の子どもは自宅で1人で留守番をする事が法律で認められていない(それ以上の年齢の兄弟がいれば下の子をみるのはOK)ので、自宅に保護者が誰もいないとなるとその子どもたちは行き場がなくなる訳です。

 

そこで、条件付きで学校を再開させる動きになりました。

 

Year1(5歳)〜Year10(14歳)までの児童で両親(または同居している祖父母等の大人)が働きに出て、世話をする人がいない家庭は学校と調整し子どもたちは学校へ行けるように。

 

しかしレベル3ではまだまだ多くの人が自宅待機もしくは自宅勤務だったため、学校を利用する子どもの数はかなり少なかったようです。

 

実際に学校を特別に開けると言っても、普段通りの授業を少数の児童に向けて先生が行う訳ではなく、学校が生徒に提供しているオンラインの授業を学校で受けられるようにし「滞在する場所を確保する」という意味合いの方が大きかったようで、教室内では距離を取り生徒各自が各々パソコンを使って課題に取り組む形だったようです。

 

私が働いている特別支援学校の休校時の状況

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オンライン授業?

日本でも休校に伴ってオンライン授業が話題となっていますが、ニュージーランドの普通校では休校に先駆けて各家庭にパソコンなどのデバイスの家庭内の状況などが確認され、教師陣の奮闘もありオンラインの授業が普段通りの時間割とまではいかずとも毎日行われていました。

 

一方特別支援学校では、パソコンの前に座って生徒1人ひとりが着席して課題に取り組んだり、オンライン上で先生やクラスメイトとやり取りをするのは少し想像しがたいのではないでしょうか。

 

私はサポートスタッフという立場なのでオンライン授業に携わることはありませんでしたが、聞くところによると先生方が普段から保護者とのやりとりに使っているSEESAWというアプリを使って情報を共有することが多かったようです。

 

具体的には、自宅で取り組めそうなアクティビティ(工作やクッキング、センサリー遊びなど)のアイデアを紹介したり、そういうものを集めたアプリやウェブサイトを紹介して自宅で保護者の方が取り組めるようにコミュニケーションを取っていたようです。

 

担任の先生には週に一度は個別に保護者に連絡するように、それから私たちサポートワーカーにも週に一度は連絡を取るように校長先生から申しつけがありました。

 

保護者の方で自宅で何か子どもと取り組んだ時にはSEESAWに投稿してもらい、活動をシェアしてもらっていたようです。

 

普段でも学校から来る週1回のお知らせメールには、学校が休みになっていても繋がりをしっかりと持っておきましょうというメッセージが頻繁に入っていました。

 

生徒と教師、教師とサポートワーカー、またはサポートワーカー同士連絡を取り合ってね、と。そんなメッセージからは「もちろん生徒への学習機会の提供は大切だけれどそれよりもこの未だかつて誰も経験したことのない状況で孤立することなく一緒に乗り越えましょう」という感じを強く受けました。

 

それからオンラインでのやり取り以外にもう一つ学校側から生徒に提供されたものがありました。

 

それは小包。生徒1人ひとりに送付され、中には様々なクラフトアイテムやセンサリー遊びに使えるアイテムが入っていたようです。子どもたちはそれを使って家庭学習を保護者の方と一緒に行っていたようでした。

 

残念ながらサポートワーカーの立場では常時SEESAWを見れる訳ではないので詳細はまだ聞けていませんが、多くの子どもたちがそれらを使って活動している様子が保護者の方から先生にフィードバックされていたようです。

 

学校のフェイスブックページは誰でも見られるようになっているのですが、そこでも色んな写真など子どもたちの様子が投稿されていたので基本的には私はそこから情報を得ていました。

 

レベル3の特別措置の対応

4週間のロックダウンが終わりレベル3になった時、普通学校では一部限定されたケースに限って登校が認められたと先ほどお話しましたが、私が働いている特別支援学校ではなかなかオープンしませんでした。

 

私はかなり不思議に思っていたのです。学校の再開を希望している保護者はいないのか?と。

 

日本では休校した途端、放課後等デイサービスが夏休みなどの長期休み同様に朝から夕方までサービスを提供しているというのをTwitter等でみていたのですが、ニュージーランドではそういった障害児向けの通所サービスはエッセンシャルではないということで閉まっていました。

 

普段の夏休み等であればこちらではホリデープログラムといって学校ではなく福祉サービス事業所が放課後等デイサービスのように子どもたちを半日ほど預かり一緒に遊んだりお出かけをしたりする余暇支援のサービスがあるのですが、それも今回はホリデーではないですし、開業できる職種が限られていたのでホリデープログラムの開催はありませんでした。

 

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つまり四六時中子どもたちが自宅にいたわけです。

 

身体介助の必要な子の親御さんも、発達障害などでコロナによる休校の事態がわからず不穏になる子の親御さんも大変なんじゃないだろうか。ご家族もだし、子どもたち自身も大丈夫なのかな?と心配していました。

 

しかし結果的に学校がオープンしたのはレベル3の最後の2日で、完全開校までの計4日間だけでした。

 

しかもさらに驚いたのが、その時に本当にヘルプが必要と判断された家庭がたった2家族だったのです。

 

マネージメントの先生と話す機会があったので聞いてみると、「もちろん大変だと思うけどどの家庭も踏ん張ってくれている。電話で親御さんと話したけれどどこもなんとかなりそうだといっていた。○○のお父さんも、□□の家も大丈夫だって。」と。(○○、□□は対応が難しい子)

 

そういう訳で完全開校になる4日前から学校がほんの一部4人の生徒で開始しました。

 

学校再開1週目の様子

生徒数

ついに学校が全生徒に向けて再開された5/18〜の1週目は生徒の戻りは約40%ほど。

 

オークランドでは学校でクラスターが起こった事もあってかとても慎重な出だしとなりました。

 

生徒本人が疾患や障害などにより免疫が弱いなどの場合と、同居の家族に高齢者や免疫疾患やぜんそくの人がいるためにまだ登校していない場合などがあるようです。

 

私が所属する学校には脳性麻痺の子が多く、生徒自身の身体があまり強くなかったりまた食事介助やオムツ交換で確実にフィジカルコンタクトがあるので感染のリスクが高いという判断なのか多くの子がまだ欠席しています。

 

クラスによっては1人しか戻ってきていないところもあり、そういうクラスは別のクラスと合同で活動するなどしていました。

 

衛生面

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コロナの前と変わった事

  • 以前よりもさらに手洗い消毒が言われるようになった
  • オムツ交換時の手袋などは今まで通りだけれど、手袋の箱が壁に設置されてベタベタ触らなくていいように配慮
  • 今まであまり言われていなかったよく触るところ(テーブルやドアノブなど)の消毒をするように

 

学校ではやはりソーシャルディスタンスは難しいですよね。子どもたちとは触れ合う機会も多いですし、どうしても距離は近くなります。

 

日本では学校でもマスクの着用が義務付け?られているようですが、私の勤める学校では「マスクはしないように」という通知を受けました。

 

理由は

  • マスクは適切に取り扱わなければ、逆に感染を拡大させる恐れがある。
  • ニュージーランド保健省及び教育省から学校は安全なためマスク着用の義務はないと通達
  • 生徒の多くがマスクを付けている大人とネガティブな経験を持つので、不安にさせる(医療従事者との関わりが普通の子どもに比べて多かったり、手術の経験を思い出させる)
  • 教育者としての役割の多くは生徒とコミュニケーションを取ることであり、マスクの着用はそれを大きく妨げるため

 

以上のようなことからマスクはなしで過ごしています。その分手洗いを徹底し子どもたちにも習慣化させる機会に、とのことです。

 

実際、初日はマスクなしに不安もありましたが子どもたちもそれなりになんとなく理解しているので、普段よりも手洗いに気持ちが向きやすかったり手洗いはできなくてもサニタイザーは受け入れていたりと適応が見られることが多いです。

 

子どもたちに触った後はしっかり手を洗う、食事介助の前にはしっかり手を洗い子どもに感染させないなどしていればかなり防げるのではないかな?と思っています。

 

それからニュージーランドの感染者の状況がかなり落ち着いて来ていることもあり、「周りの人が感染しているかも」と恐れる事もなくなってきているのもマスクなしでも安心できているのかもしれません。

 

⇩学校から全スタッフに配られたサニタイザーと視覚カード

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スタッフ

 学校再開初週の生徒の戻りは約40%だったとお伝えしましたが、スタッフはどうかというとほぼ100%復帰しています。

 

支援学校は普段から割と教室内に大人が多い状態ではあるのですが、子どもたちが少ないのにスタッフは多い、、、そんなに人いらないですよね。

 

私が所属しているクラスは実質2クラスに分かれていますが1クラス扱いで生徒17人、担任の先生2人、サポートスタッフが7人の大所帯。しかし初週に戻って来た生徒はたったの6人。そこに9人もの大人はいらない、と言うことで担任の先生は1日ごとに交代し片方の先生は事務仕事をしたりオンラインの対応をしていたよう。

 

そして7人のサポートスタッフのうち3人は校内で普段後回しにされている場所の掃除や片づけ、教材の仕分けなど「こんな時じゃないとできない雑用」に回されました。

 

私も別の場所に借り出されて教材の仕分けや補強、教育資材の作成などを行いました。普段は子どもたちの対応に追われる毎日ですが、そういう仕事もたまには悪くないですよね。しかも今まであった事のなかった同僚と一緒に作業をしながら新しい関係を作る機会になり楽しむ事ができました。

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⇧教材作りのお手伝い

 

 

1週目はこんな感じで人数も少なく、所属の場所がかわったり業務がいつもと違うなどイレギュラーなスタートとなりましたが子どもたちもスタッフも学校の再開を喜んでいます。

今は2週目が始まっていますがまた2週目の様子も追記したいと思います。

 

 

 

ニュージーランドのロックダウンからみえる特別支援学校の重要性とオンライン授業の限界

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ニュージーランドの特別支援学校を含む学校がコロナの影響によって休校になってから4週間が経ちました。

 

現在ニュージーランドの特別支援学校でティーチャーエイドという補助教員のポジションで働いています。普段は学校に通ってくる障害を持つ子どもたちを一緒に過ごし教育のサポートや身辺面のサポートをしています。

 

ですので学校が休校になっている今、私の仕事としてはやる事がない状態です。

 

学校がどういう対応を保護者や子どもたちにしているのかあまり見えない立ち位置にいるのですが、このロックダウンで特別支援教育や障害者サービスについて思う事をまとめて行きます。

 

 

ニュージーランドの状況≪概要≫

ニュージーランド(以下NZ)でのコロナの感染拡大予防措置により、3/24から学校の休校が始まり、特別支援学校も全て門を閉めている状態です。

 

3/26から始まった警戒レベルが一番高いロックダウンは当初4週間と言われており、4/22にはレベル4は終了する予定でした。

 

実際のところ、新規感染者数は劇的に減っていて収束に向かっているように見えますが4/20の首相会見ではNZ政府の判断は慎重で、ロックダウンを5日間延長し4/27までとすること、4/28からの2週間はレベル3を維持する事の意向が発表されました。

 

そこからどういう業種がレベル3で営業を開始できるのか、学校はどうするのかの議論が行われている状況、学校再開についてはまだ明確な指示は政府から出ていない状況です。

来週からどうなるのか

レベル3に引き下げられる4/28から学校再開という声もあがる中、NZで最も大きいクラスターが起こったのが学校であることから学校再開に懸念を示す声も多く上がっています。

 

特別支援学校についてもニュースで時たま取り上げられていますが、「レベル3になってもすぐには再開しない」と言われていますし、勤務している学校からもすぐには開けないというお知らせが届いています。

 

レベル3に引き下げられ、どれくらいの大人たちが外での勤務を再開させるのかそしてそれによってウィルスの拡大が再度あるのかどうかによって学校のオープンもきまるのではないかと個人的には思っています。

 

子どもたちは感染しても重篤化しにくいなどと言われていますが、特別支援学校に在籍している子どもたちの中には基礎疾患があったり、医療的なケアを必要とする子など体が弱い子も多い事もあり、再開には相当慎重になっているのではないかと思います。

 

特別支援のオンライン授業への移行の限界

ある程度年齢が高く、ソーシャルディスタンスを引き続き守れる子どもたちから学校を再開させる話も出ていますが、政府は「自宅で勉強ができる環境があるのであれば自宅待機を推奨」しています。

 

私の知り合いでも普通学校の先生をやっている人がいてオンラインでの授業を展開されています。問題なくパソコンの前に座り、説明を聞き、課題に取り組める子どもたちに対してでもどのように集中して授業を受けてもらえるか、という事に悩まれているようです。

 

では特別支援学校はどうしているのか。

 

基本的には保護者の協力に頼るしかない、ように思えます。

 

休校が始まる以前から、私の学校ではSeesawというアプリを使って学校での様子を保護者とやり取りしていました。

 

連絡帳代わりのように、子どもたちの活動の写真やビデオを撮り先生がコメントと一緒に投稿するとクラス単位や個人など限定された保護者が見られるというアプリです。

 

元々そういうオンライン上でやり取りがあったので、休校期間中もそのSeesawを使っているようです。

 

しかしそれは普通学校で行われるような、直接子どもたちと先生を繋ぎ先生が子どもたちに画面越しに働きかけるものではなく、先生が自宅でできそうな支援やアクティビティのアイデアを保護者に共有するというものでした。

 

自らデバイスを準備し、その前で課題に1人で取り組むという事が難しいからです。

 

つまり保護者の次第で自宅教育に相当な差が生まれてしまうということかな、と思います。

 

しかし教育面だけでなく、生活面でのサポートを常時必要とする子どもたちが自宅に24時間いるという事は家族に相当な負担と犠牲を生むことに繋がりかねないんです。

 

家で面倒を見ているだけでも大変なのに、その上学校から与えられた課題に取り組むことはそう簡単な事ではありません。

 

学校再開が必要!ウイルス拡大の危険とのジレンマ

以上のように、「幼児を含む低学年の子どもたち」と「障害を抱える子どもたち」への家庭教育が保護者負担が一番大きいはずなのに現状では低学年や特別支援学校の再開が一番遠いところにあります。

 

また学び方としても、低年齢の子どもや障害のある子は人との直接的な関わりの中で学ぶ事が多かったり、さらに障害があるために直接介助を必要とするのでそういう子どもたちの為に学校再開はあらゆる面で重要にも関わらず、濃厚接触は避けられないのできっと特別支援学校は他の普通学校よりも遅い再開になるのではないかと思いながら学校の決定を待っています。

 

 直接的な関わりが必要な子どもたち程、感染のリスクが高い、、、ジレンマです。

 

日頃の仕事内容で見ても感染リスクはとっても高いんですよね。

・食事介助:唾液に触れること

・オムツ交換:身体介助で体同士の密着がある

・清潔保持が難しい:体の硬直等によりくしゃみをするときでも口を押さえられなかったり、清潔を保持するという概念の理解の問題

 

ちょっと考えただけで、そりゃいろんな菌をもらわない方が難しいし、移さないことも難しいと思います。

 

でも全部彼らをサポートする上で誰かがやらなきゃならない事なんですよね、、、

 

まさに日々濃厚接触です。

 

私の思い

この休校措置からロックダウン期間を含めてのこの4週間、私は自分が持っていた常識とNZ政府の対応にものすごくギャップを感じていました。

 

休校措置で完全に学校は閉まりました。

 

日本でも学校が休校になりましたよね、そして次に何が起こったか、福祉施設へのしわ寄せです。放課後等デイサービスがサービス時間の延長をするなどして障害児の受け入れをしました。

 

「休校してる意味ない」「でもサービスがなくなることのリスクもわかる」そんな思いで日本のニュースやツイッターをみていました。

 

先にもお話した通り、障害のある子をずっと家で家族だけでケアすることの大変さが容易に想像できたからです。

 

そこには感染以外のリスクもたくさんあって、保護者のストレスによる家庭内暴力のリスク、子ども本人が状況を理解できないところから来る不穏な状態で粗暴が増えるリスクなど、家庭崩壊が一番大きいのではないかと思っています。

 

環境がある程度整っている家庭だったり、障害の程度によっては自宅にいることが容易な子もたくさんいるので、問題が少ない家庭ももちろんあるでしょう。なので誰でもかれでも受け入れるのは違うのでは?と感じますが、セーフティネットとしての役割は維持し続けるものだと思っていたのです。

 

それは子どもたちの為だけではなく、一緒に住む家族の生活も含めた支援として。

 

それでもNZは一貫してクローズ。私は長期で学校が休みになる夏休みなどに子どもを日中預かって活動するホリデープログラムというところにも在籍しているので、そこが家族のサポートの為に開所するのではないか、と出勤要請がくることを覚悟していました。

 

しかしそれはなかったのです。NZのウィルス封じ込めの徹底さに驚くと同時に、障害者支援はエッセンシャルではないのか、、、?もう少し緩和措置があってもいいのではないかという疑問はありました。子どもたち大丈夫かな、、、保護者も大丈夫なのかなと。実際は私が知らないだけで開いている門があるのかもしれませんが。

 

こういう仕事を選んでいるので感染リスクが高いことは重々承知しているつもりですし、要請があれば働かなければならない事も覚悟しています。ティーチャーエイドという末端職員のポジションでその心構えが必要なのかはわかりませんが、誰かの生活を支える仕事はやっぱりそう簡単なものではないと思うのです。

 

このコロナの一見でオンライン授業が普及し、これからますます各地で広がるでしょう。こんな緊急時にでも子どもたちの教育の機会を提供しつづけるべくオンラインに素早く移行し対応しているNZの教育界の順応力はとても素晴らしいと思うのです。しかしその反面オンライン授業が向かない子どもたちも一定数はいる事にも焦点をあて、教育がさらに多様化されるといいなぁと思っています。

 

今は多様性の国ニュージーランドがまたさらなる多様化を進め、強くなっていくのを間近で見ている気分です。

 

ニュージーランドで福祉の仕事がしたい人へ≪仕事探しのキーワード≫

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ニュージーランドで福祉の仕事に就きたいけれどどうしたらいいのかわからない人に向けてのお話。

 

この記事を読んでもらいたい人⇩

・ニュージーランドに留学もしくはワーホリを考えていて、福祉関係の仕事をしたいと思っている人!

・もうニュージーランドにいて福祉関係の仕事をしてみようかなと思っている人!

・3年前の私

 

 

ニュージーランドでの福祉関係の就活がうまく進まなかった理由

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 ずばりそれはニュージーランドの福祉サービスを知らなくて就活サイトでどう検索したらいいかわからなかったから、です。

 

私は日本でずっと福祉畑に居たので、ニュージーランドへの渡航を決めた時にニュージーランドの福祉がどんなものか見てみたい、という思いを持ちました。

 

そしてまだ日本にいる段階で、就活情報ではなくニュージーランドの障害者福祉サービスなどの福祉基礎知識の情報を得られないかなと、「ニュージーランド・福祉」「ニュージーランド・障害者」等思いつくワードをインターネットで片っ端から入れてみてみましたが残念ながら出てくるのは

・日本の大学教授がまとめたニュージーランドの福祉についての論文(古いもの)

・福祉ボランティアの体験コース など

 

一番多かったのが 留学エージェントのページで、エージェントが開催している数週間~数カ月のボランティア留学の案内ばっかり。

 

 日本語で検索していたこともあり、結局自分が求めていたような情報は得られず、「日本の資格・知識だけじゃお金をもらって働くことはできないのか?」という思いを抱いたままニュージーランドへ渡航することになってしまいました。

 

結果的にいうと、福祉関係の求人はあります!ニュージーランドでも福祉業界は人手不足のよう。諦めないで就活続けてください。

 

日本で大した情報が得られなかった私は、場所をニュージーランドに移したからといってそう簡単にポンポン情報が入ってくるわけもありません。

 

ニュージーランドの求人サイトSEEKTrade Meというサイトの存在は割とすぐに得る事ができたので就活を始めました。

 

カテゴリー検索で福祉関係のものは出てくるのですが、それがどんな仕事なのか想像できませんでした。生活介護みたいなところで働きたい、ガイドヘルパーはあるのかな、、日本だったらそんなワードを入れればたくさんの求人が出てくるのに。。。

 

そんな情報を時間をかけて少しずつ集めてきたのです。自分の英語力に悲しくなるほど遠回りもしました。

 

とっても苦労してきたから教えたくない!でももし当時の私がニュージーランドに来る前や来てすぐにこの情報にたどり着いていたら間違いなくもっともっともーっとスムーズに就活できたと思うのです。

 

だからみなさんにシェアします!お金を払って体験させてもらう介護留学ではなく、しっかりお金をもらって働きましょう!日本人の気遣いや思いやりなど見えないものを見る力や丁寧さだったりきっちりした国民気質は世界の福祉分野でも十分通じると思うからです。

 

ワーホリなどの短期滞在者でも会社側とのニーズが合えば働くことができるので、さがしてみてください。

 

この記事はキーワードでまとめて行きます。福祉サービスの種類や名称、機関名など就活時に役立つと思います!

 

私もまだまだ思うように情報が得られていなくて勉強中。全然十分な情報ではありませんし間違えているかもしれませんが、新しい情報を得るたびに追記していこうと思っています。

 

前置きが長くなってしまいましたが。では。

 

ヘルパーさんは英語?

日本のホームヘルパーさんのように利用者さんの自宅に出向いて自宅で生活のお手伝いをしたり、ガイドヘルパーのように外出の支援をしたりするいわゆる「誰かの生活のサポートをする」仕事に関わる職業の人をニュージーランドではCare Giverと呼びます。

 

Care Giverの定義まではまだわかっていませんが、色々な所で求人を見ているとCare Giverは介護的な要素が強いのかな?という印象。

 

その他にもSupport Worker, Support Staff, Carerと呼ばれる事もあるのでチェックしてみてください。

 

一対一の支援の時にヘルパーさんと使う事が多いけれど、こっちでは一対一かグループ、日中の支援か入居支援かに関わらず、ケアに関わる人はCare giverやSupport Workerなど上記の呼ばれ方をするみたいです。

 

日本でいう厚生労働省はどこ?

私がずっと知りたくて、でもうまく伝えられずになかなか情報を得られなかったもの、それがこの省庁でした。

 

日本にいて障害者福祉の仕事をしている人はほとんどの人がきっと障害福祉サービスを管轄する省庁はどこ?って聞かれたら厚生労働省と答えられる人がほとんどでしょう。

でも障害関係に縁のない人に聞いたらわからない人もいると思う、、、そういう人にそれをきちんとうまく伝えられなかった私の英語力も問題だったのですが。

 

ニュージーランドで障害者のサービスを管轄する省庁はMinistry of Healthです。(厳密に言うとここだけではないのですが)

 

Ministry of Healthのサイト⇩

https://www.health.govt.nz/

日本語では保健省と呼ばれていて、ニュージーランドの医療を担当する省庁です。病気の事や妊娠・出産もこの省庁の管轄です。

 

そして障害者のサービス一覧はこのページ⇩

https://www.health.govt.nz/your-health/services-and-support/disability-services?icn=yh-disability&ici=readmore

 

ここを隅々まで見れば、きっとみなさんが探している福祉サービスのワードが見つかるはずです。

 

特別支援学校は英語で?

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私が今働いている特別支援学校、ニュージーランドではSpecial Needs SchoolもしくはSpecial Schoolと呼ばれます。

 

特別支援学校は障害児関係の学校ですが、支援学校の管轄は上に書いた保健省ではなく、Ministry of Education、教育省です。MoEと省略されることが多くあります。

 

Ministry of Educationのサイト⇩

http://www.education.govt.nz/

 

MoEのニュージーランドの特別支援学校一覧のページ⇩

http://www.education.govt.nz/school/student-support/special-education/day-special-schools-for-students-with-high-needs/

 

学校それぞれのホームページで求人を出している場合もあるのでチェックです。

 

 

www.kiwilifeofmoana.com

 

 

生活介護事業所みたいなものはある?

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日本で知的障害・発達障害のある人へのサービス、生活事業所や就労継続B型事業所で働いていたので、そういう「日中・通所・知的障害者」のサービスを探していたのですが、生活介護事業所を直訳したところで通じないよな、、、?と疑問ばかり。

 

周りに障害者のデイサービスはあるのか?と言ってみたり、特別支援学校を卒業した後に子どもたちはどこに行くのか?と聞いてみてもなかなか欲しい答えが得られず(もしかしたら言われていたかもしれないけれど)

 

ニュージーランドで日本の生活介護事業所のような役割を担っているサービスは、Community Day Services。

 

「生活スキル」「レクリエーション」といったワードが見られるのできっとそうかな~と思います。

 

日本と同じように、まずはサービス利用ができるのか、状態を知るためのアセスメントを経て支給決定されるもよう。時間数ではなく、半日のセッションを週に何回受けられるかという支給のようで最大週に10セッション、つまり5日間ということかなと思います。

 

ここでの個別支援計画は、Individual Day Programme Service Planというみたいです。

 

Community Day Servicesの詳細ページ⇩

https://www.health.govt.nz/your-health/services-and-support/disability-services/types-disability-support/community-day-services

 

その他の障害者サービスの一覧⇩

https://www.health.govt.nz/your-health/services-and-support/disability-services/types-disability-support

 

高齢者サービスの入居施設と居宅介護

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高齢者介護はAged Care、

自身の自宅で様々なサポートを受ける居宅介護はHome support services、

入居してサービスを受けるいわゆる「老人ホーム」はRest Homeです。

 

 

高齢者介護に携わりたい人は、Retirement Villegeも要チェックです。

 

Retirement Villegeとは、日本にはまだ珍しいですが、高齢者が集まってコミュニティを形成しているシニアタウン。ニュージーランドにはたくさんあって、そのタウンの中にはカフェや公園などもあるところもあり、そこで生活が完結する街もあるらしい。

 

高齢者の機能レベルも色々で、場所によっては介護サービスを提供しているアパートもあるそう。介護付き有料老人ホームの建物だけでなく街バージョンという感じなのかな?入ってことはないので詳細はわからないけれど、Retirement Villegeで検索してみてください。

 

 

www.kiwilifeofmoana.com

 

 

また新しくシェアできそうな情報が入ればまとめていきますね。

みなさんの知りたい情報のきっかけがひとつでもここにありますように。

「自粛」から学ぶイメージを共有することの難しさと誰でも使える「伝える力」≪発達障害者を支援する者の視点から≫

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人が生きていくうえで必要なものの1つ、コミュニケーション。

 

みなさんコミュニケーションと言われた時にどんなものを思い浮かべますか?

 

話す・聞く・読む・書くといったことばを使ったものから体を使ったボディランゲージやスキンシップ、または何も使わない沈黙や空気を読むこともコミュニケーションのひとつに入るでしょう。

 

私たちは日頃これら全部を混ぜて他人とのコミュニケーションと取っているのですが、やはりその中でも大部分を占めているのが言葉を使ったコミュニケーション、「言語的コミュニケーション」です。

 

難しく「言語的」なんて言っちゃいましたが、難しい事を書くつもりはないのでご安心を。

 

私たちが普段当たり前に使っている言語的コミュニケーション、伝える事の限界を今回コロナ騒動の日本の対応で浮き彫りになったので書いてみようと思った訳です。

 

普段意識せずに「言葉」を使っている人にぜひ読んでもらいたいです。

 

日本の首相や、東京都知事に届けという思いで綴ります。

 

私なんかより格式の高い日本のトップのお偉いさん方に、給料も社会的地位も低いイチ福祉従事者が恐縮ですが。

 

 

イメージの共有はとても難しい

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私たちは普段当たり前のように言葉を駆使して日々生きていますが、言葉ってとても複雑だと思いませんか?

 

違いを知ることからコミュニケーションを始めよう

みんなが同じように当たり前に使っている日本語。

 

このブログも日本語で書いていますが、言葉の持つ意味は1つだったとしてもその言葉から受け取るイメージってみなさん一緒でしょうか?

 

名詞は結構イメージの共有がしやすい。

 

例えば、「リンゴ」。

リンゴと言われれば多くの人が、「テニスボールくらいからソフトボールくらいの大きさの、赤い果物」を想像するでしょう。

 

それでもイメージには幅があります。テニスボールくらいの大きさとソフトボールでは一回り以上違います。

それに赤リンゴをほとんどの人がイメージするかもしれませんが、青りんごつまり黄緑っぽい色を想像する人もいます。

 

それでは「コップ」はどうでしょう?

 

ガラス製、陶器、プラスティック、子ども用の小さなものからコーヒー何杯分?の大きなものまで。はたまた取っ手がないものもあれば取っ手があるもの、形も様々です。それでもコップと言われれば多くの人が飲み物を飲むための大きすぎない蓋のない容器を想像すると思います。

 

名詞でさえイメージに差が出てくることがお分かりかと思います。

 

それでは形容詞や副詞、動詞なんかはどうですか?

「赤い」・・・白が混ざった赤もあれば黒が混ざった赤もある

「ゆっくり」・・・ゆっくり歩くのとゆっくり走るのではスピードは違う

「笑う」・・・クスッと笑うのとガハハと笑うどっちも笑う

 

 

そう、言葉には幅がある

 

その言葉の幅のせいでイメージにずれが生じるのです。

 

でもこれはどちらが悪いとかではなく、1人ひとり「受け取り方が違う」という事。

 

持ってる価値観やこれまで経験によってそれぞれが言葉を理解しているのです。

 

すると発信する人と受け取る人のイメージの差によって伝わるものが伝わらなかったり、一部だけ伝わったり、全然違うものになったりしてしまいます。

 

それを踏まえてコミュニケーション、伝えるとは。

 

簡単イメージ共有ゲーム!時間がある人はやってみてください

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ちょっと言葉だとわかったようなわからないようなうやむやになっちゃうのでちょっとゲームを。(これ、職場のコミュニケーション研修で使えますよ)

 

時間がある方はやってみてください

 

ない方は飛ばしてもらって結構です。

 

紙とペンを準備してください。私の指示に従って紙に図形を描いてもらいます。

 

誰かと一緒にやるとよりよいのでご家族と一緒の方、同僚といる方は同じことをお互い見せずに行ってみてください。

 

途中で変な事になることもあるでしょう、気にせずとりあえず最後まで続けてみてください。

 

では。ひとつずつ進めて描き足していってください。

 

・紙の真ん中に丸を描いてください

 

 

 

・その丸の中には二等辺三角形があります

 

 

 

 

・その二等辺三角形の中には黒い正四角形があります

 

 

 

 

 

・丸からは外向きに線がたくさん出ています

 

以上。

 

 

 

さて、誰かと一緒にやった人はできた図を見せ合いっこしてみてください。

 

一緒でしたか?

 

 

では、私が見ながら出したお題がこちら⇩

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皆さんの図と一緒だったでしょうか?

 

この図を見ながら説明したのに、皆さんの図は違うものができたのではないでしょうか?ちょっとわざと違うものができるように伝えたので同じように描けた人の方が少ないかもしれませんが、嘘はついていません。

 

どうですか?

・どれくらいの大きさの丸って言わなかったから中に何も描けなかった人いませんか?

・下向きの三角って言わなかったから△の向きで描いた人いませんか?

・向きを言わなかったから■で描いた人はいませんか?

・外向きの線が全体からか一部か言わなかったから一部にだけ描いた人や、長さも言わなかったので短く描いた人や長く書いた人はいませんか?

 

ここでお伝えしたかったのは同じお題を受けても皆さんがイメージしたものは違うということです。

 

(研修なんかで使う時はもっと複雑な図形で、もっと伝えるということに重点を置いてやると、それでも違いが出るのでわかりやすいです!)

 

「自粛」でみなさんがイメージしたものは?

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ひとゲーム終えたところで。

 

では、今回のコロナ騒動で日本に飛び交っている「自粛」、「外出自粛を要請する」という言葉。

 

それらに対するみなさんが抱いたイメージはどうだったでしょう。

 

自粛の意味を調べると、自分から進んで、行いや態度を改めて、つつしむこと。』と出てきます。

 

外出『家から外に出る事。』

 

要請必要な事が実現するように、願い出て求めること。』

 

つまり「外出自粛を要請する」とは「自発的に考えて外に出るのを控える事」なのに「他人にお願いされる事」というよく分からないフレーズなんですよね。

 

国民一人ひとりに判断が任されたという事。

 

その結果、人々は1人ひとりが考えて「家にいるか、外に行くかを決めた」訳です。

 

それなのに「自粛してない」と外出した人を批判する人がいた訳です。どうしてでしょう?

 

そこには外出自粛の持つイメージが、「自分で決めていい」「強制力はないという事」と考えた人と、「やらなければならない事」「外出してはいけない」と捉えた人など色々な受け止め方があったからという事じゃないかと思います。

 

もちろん1億数千万人いる国民が両極端なイメージを持っていれば同じ方向を向くのは難しいですよね。

 

※法的に強制力があるとかないとかの論争もありますが、今回はそこの点ではなくあくまでも1人ひとり言葉の持つイメージは違うよ、と言う事に注目しています。

 

ニュージーランドで言われた「STAY HOME」も万能ではない

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さて、私が今いるニュージーランドでは「Stay Home, Save Lives」が日本の「自粛」のようにそこらじゅうで言われているフレーズです。

 

直訳すれば「家にいて、命を守ろう」という事。

 

「Stay Home」だけ言われることも多いですが、Stay(その場にとどまる)Home(自宅に)で単純明快です。

 

この単純明快さが「伝える力」の最低限のスキルだと私は思っています。

 

何をすべきかが明確なんですよね。

 

「家にいて!」それだけ。

 

このStay Homeのフレーズの下、ニュージーランドではみんなが家にいるんです。

 

外出自粛とやっていることは一緒なのに「政府のいう事をムリヤリ聞かされている」という被害者感情がとても少ないです。それはどうしてなのでしょう。

 

法律が違ううんぬんは、、、今でこそStay Homeしなかった人への処罰が厳しくなったり、警察官の持つ権限が強くはなっていますが、ロックダウン開始時は日本の自粛要請と同じように「家にいてください」というようなニュアンスでした。もちろんロックダウンでお店が閉まったので物理的に外出させない措置があった事は大きく違いますが。

 

それは簡単な誰にでもわかる言葉で、国民にどうして欲しいいのかをはっきりさせたからです。

 

「外に行かないで」ではなく「家にいて」です。

 

ですが、そんな単純明快でイメージの共有をしやすい「Stay Home」も万能ではありません。

 

「Stay Home」が万能かどうかは「対象者による」から、です。

 

何かを発信したり伝えたい事があるとき、その先には対象となる誰かが存在しますよね。

 

コミュニケーションは1人では成り立たないもの。一方的に伝える場合であってもそこには誰かがいるのです。

 

今回のお話であれば「政府→国民」だったり、このブログであれば「私→読者のみなさん」です。

 

私はニュージーランドの状況や普段の生活をこれからニュージーランドに来たい人やニュージーランドに興味がある日本人に向けてこのブログを運営しています。(この記事は少しその趣旨からは外れますが)

 

そう考えた時にどう伝えるか、「読んでほしいのはどんな人なのか」を考える必要があると思います。それを考えたら日本語で発信するのは当然ではないでしょうか。それは日本人の多くが日本語を使うからです。もっと細かくターゲットを絞っていけば、使う言葉や発信する内容もおのずと変わってくると思います。

 

 

それと同じように、今回ニュージーランド政府がやったことは、ウイルスの拡散を止めるために、国内にいる人をターゲットとして伝える必要がありました。

 

ニュージーランドでは、

国民の多くが英語を話します。

国民とは赤ちゃんから高齢者までみんな国民です。

国民には目が見えない人も、耳が聞こえない人も言葉の理解が難しい人もいるでしょう。

そして国民以外にもニュージーランドは移民の多い多国籍国家。私のように英語がまだまだ堪能じゃない人もたくさんいます。

 

こういうあらゆるニュージーランド国内にいる人はどんなひとかと考えた時に出来る限りの大多数に理解させるには、簡単で分かりやすい言葉が必要だった訳です。

 

結果的に多くの国内に居合わせた人にすべき行動を簡潔に示した「Stay Home」は100点満点だったと私は思っています。

 

それでも万能フレーズではない理由。

 

もうおわかりでしょうか、日本で使っても意味ない!!!!!ってことです。

 

日本の報道をかじりかじり見ていますが、「自粛」のそれだけでなく、「ステイホーム」「クラスター」「緊急事態宣言」「パンデミック」などなど、何のことかわからない単語がずらずらと並んではいませんか?

 

イメージを共有できる訳がないんですよね。

 

英語を使いがちな某知事もそうですし、会見で「えーっとですね」「ですから」を連発するトップ。

 

一体その言葉を届けたい人は誰なんでしょう?

 

みんなに伝える気あるのかなって思って見ています。

 

仕事がら私が気を付けていること

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私は日頃、何かしらの障害を抱えた人の支援をしています。

 

特に知的障害・発達障害のある人のサポートを専門としていて、その多くがコミュニケーションに問題を抱えています。

 

・全く話せない人、少しだけ話せる人など自ら発信する事に問題がある人

・言われている事がわからないなど言葉を受け取って理解する事に問題がある人

・読むことに問題がある人

・書くことに問題がある人

様々な状態の人がいて、その中の多くの人がいくつかの状態を合わせもっています。

 

問題という書き方をしましたが、みなさんとは違った発信方法や受取方をする人がいるよ、と言う事です。

 

なので私は、彼らのコミュニケーションの取り方と理解の仕方が自分とは大きく異なるかもしれないということをいつも頭の片隅においています。

 

特にコミュニケーションに障害がある人とのやりとりでは支援者から障害のある人へ伝える場面が多くあります。そんな時にきちんと「伝わっているのか」を確認することはとても重要なんですよね。一方的じゃ意味ありませんから。

 

そうはいっても1人ひとり本当に様々で日々接している支援者と言えどもなかなか彼らがどのように理解しているかを理解することは難しい。

 

だから伝え方に工夫がいるのです。

 

そんなコミュニケーションに難しさのある人達をサポートする1人として私が気を付けているポイントを少しご紹介します。

 

障害のあるなしに関わらず、1人ひとりが言葉に対して持つイメージが違う事は一番初めにお伝えしたので、健常者と言われる人だって1人ひとり理解の仕方が違うんだという事をもう一度思い出してくださいね。

 

わかりやすく

例)子どもに部屋の片づけをさせたい時

「あーもう部屋中おもちゃだらけじゃない、綺麗にしなさい。こら!部屋を走らないで!」

なんて場面よくありませんか?

 

このセリフで もちろんわかってお母さんが思う行動をしてくれる子もいるでしょう(それは結構過去の経験から行動が強化されている場合が多いんです)が、「綺麗にする」という言葉のイメージが母と子で違うと子どもはおもちゃを部屋の端っこに寄せてスペースを作って片づけたというかもしれません。

 

まず、「わかりやすく」はこの場合だと子どもが普段使う言葉を使う方がわかりやすいですよね。「部屋中」はわからなくても「このお部屋」と伝えるとわかるかもしれませんし、「綺麗にする」はわからなくても「きれいきれいしようね~」でわかる子どももいるでしょう。

 

きっと普段から自然と子どもに話すときは子どもに合わせて「わかりやすく」ができている人が多いと思います。

 

言葉選び以外にも、短く伝えることやはっきりと伝えることも「わかりやすさ」に繋がりますね。

 

それらを気をつけて言葉が分かる人には伝えてみましょう。

 

発達障害のある人は、会話の内容を理解するのに時間がかかったり、話しかけてくる人の言葉と周りの雑音を聞き分けられず理解できないことがあるといいます。その反面視覚的なアプローチにはとても強い人が多いのも特徴です。

 

その為、文字を書いて伝えたり、イラストや写真で伝える、もしくはやってみせるなど視覚的にアプローチすることがあります。

 

それもその人にとっての「わかりやすさ」なのです。

 

肯定的に

これも支援現場ではよく言われることなのですが、「否定文を使わない」です。(←早速ここで使ってますが)

 

否定語とはつまり「~しない」「~じゃない」などの「ない」が含まれる言葉です。

 

私たちは普段難しく考えることなく使っていますが、否定文は肯定文に比べると複雑にできています。

 

「走らないで」という言葉は「走る」と否定を意味する「ない」からできていますよね。

 

走るという動作をイメージした後に「しない」ということを考えるのですがこれが混乱や誤解を招くことがあります。「ない」という言葉は文章を難しくするんです。

 

「走らない」は簡単にわかる人でも、「子どもが走らないはずがない」と言われるとちょっと戸惑いませんか?

 

結局のところ、走るの?走らないの?どっち?って。

 

二重だからより難しいんですが、だったらシンプルに「走らない」ではなく、「歩く」や「座る」または「止まる」など、してほしい行動に言い換えてみてください。

 

最初に言った文でいうと、「あーもう部屋中おもちゃだらけじゃない、綺麗にしなさい。こら!座りなさい!」かな。(言い方や語気は別の話です)

 

具体的に

さらに自閉症など発達障害を持つ人の特徴として「曖昧さ」がわかりにくい、というものがあります。

 

その為、私はできるだけ普段からできるだけ「具体的に伝える」ようにしています。

 

それが私たちが使う言葉には曖昧なものがたーくさんある。言葉自体の意味が難しいかどうかではなくイメージがしにくいものです。

 

例文で言えば「綺麗」という言葉。

 

最初の例文で お母さんは「綺麗にして」という言葉の裏に「おもちゃはおもちゃ箱にいれて、床におもちゃが転がっていない状態」を想像しましたが、子どもは「部屋の真ん中にスペースを作る」とイメージしたので、お母さんの思う綺麗にはならなかったのです。

 

人によって綺麗さの基準が異なるので、そのイメージをどう近づけるのかを考えるのです。

 

そこで片づけでやってほしい事を具体的に「ぬいぐるみは棚に戻す、他のおもちゃはおもちゃ箱に入れる」という伝え方をすればお母さんの思う「おもちゃが部屋中に散らかっている汚い状態ではなくなる=綺麗」になり、子どもにも何をしたらいいのかわかりやすく伝える事ができます。

 

曖昧で私たちが使いがちな言葉の代表が「ちょっと」だと思っているのですが、「お菓子ちょっとだけ食べていいよ」「ちょっと待って」など言いがちじゃないでしょうか。

 

それはどうしましょう、、、

 

見通しを立てられるように

曖昧な言葉はできるだけ具体的にといいましたが難しい場面も多い。

 

子どもの得意技と言ってもいい「まだ~?」攻撃。こっちもわからないから答えられないのに何度も何度もしつこく聞いてくる!!!

 

そう、あてもなく待たされることに人は不快感を覚える事が多いのです。これも子どもに限った事ではありません。

 

例えば、病院に予約なしでやってきました、待合室には自分以外に20人くらいいる。いったいどれだけ待たされるかわからない。

 

そんな場面ありませんか?でも大人は子どもより待てることが多いでしょう、そんな時頭の中ではどんなことを考えていますか?

 

・今日はこれ以外に予定がないから何時間かかっても大丈夫

・受付番号25番で今が6番の人、19人待ってるのか

・診察時間1人5分~10分だとして2時間くらいかな

・一回帰ってからまた来ようか

など、状況に応じて考えていると思います。

 

もし受付番号などの表示がない場合、みなさんはどうしますか?時間に余裕があってもなくても受付の人にどれくらいかかりそうか聞いたりしませんか?

 

先が見えないと人は不安を感じるのです。

 

そんな不安を軽減するために見通しを立てる事を自然としているのです。

 

病院で大人の方が長く待てるのは、おおまかであれ今までの経験からこの人数だと1時間で終わりそうだとか3時間はかかるぞ、といった予測を立てられるからであり、電光掲示板などのツールを使って情報を得たり、または受付の人に流れの進捗状況を聞くことによって自分で見通しを立てられるからなのです。

 

こういう事を自らわからない人に伝える時に役立つのが数字です。

 

少し話を戻すと、最初にやった図を描くゲーム。

 

もし私が本当に皆さんに私が思い描いた図を描いて欲しかったら

・直径9センチの丸

・頂点を下に向けた、底辺9センチの直角二等辺三角形

・頂点が上下と左右に1点ずつくる一辺2㎝の黒い正方形

・丸の左右から長さ1㎝の線が9本ずつ

などと伝えていたらもっと近い図を描けた人が多かったはずです。

 

「時計」や「時間」などは「数字」がわかる人にはとても有効的なんです。

 

「お昼の12:00になったらごはん」

「後10経ったら終わり」

「宿題2ページ分やる」などはイメージの共有がしやすいですよね。

 

数字の概念がまだない人には、時間や数字で伝えずに

「お買い物から帰ってきたら、お昼ご飯」

「この歌が終わったらおしまい」

「このプリントとこのプリントをやる」

などと言いかえて順序ややるべきことを示します。

 

話を戻すと、もし初めに病院の受付の人に「今20人くらい待ってるので2時間くらいはかかりますね」と教えてもらっていたら不安が軽減した状態で待てるのです。

 

受付の人にはそこまでの義務はないので初めから言う必要はないかもしれません、しかし国民を守らなければいけないリーダーはどうでしょう?

 

2月からなんとなく「自粛」が始まって3月に急に学校が休校になって、緊急事態宣言が出て、、、ダラダラ感が否めなかったですよね。

 

いつまで続くのだろう、誰もが不安だったのです。

 

みんなにやさしいコミュニケーションを

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色々と書いて来ましたが、1人ひとり色んな違う人間が寄り集まってできている社会では「伝え方」は本当に重要だと一連のコロナ騒動から改めて感じています。

 

普段から私が心がけている「発達障害者支援の基本」ともいえる「わかりやすく、具体的に、肯定的に、見通しを立てられるように」なのですが、これらは障害者への「特別」な配慮ではなく、多様化する現代にはみんなが持っていていい伝え方のスキルだと思うのです。

 

一番初めにお伝えしたをイメージ共有することの難しさ、それを軽減するためには誰にでもわかりやすいコミュニケーションが求められます。

 

「自粛」という言葉では何をすべきかわからなかった。

 

日本人の大人でさえわからなかったのです。

 

子どもやお年寄りの人が「クラスター」と言われてわかったでしょうか。

 

日本語のつたない外国人が「非常事態宣言」ということの警戒レベルがわかったでしょうか。

 

首相会見の現場で同時手話通訳がなかったのは、耳の聞こえない人は首相会見をライブで知る権利はないということだったのでしょうか。

 

 

英語が不十分で海外に住んでいると私自身に対してももっとわかりやすく伝えてくれればいいのに、と思う場面を何度も経験してきました。

 

日本人が強いと言われているライティング、弱いといわれているリスニング

私もそれにもれなく入っているのですが、電話で一度サラッと説明されると分かりませんが、メールでもらうとゆっくりですが理解することができます。

 

仕事中も予定を一気に説明されても分からないけれど、黒板に書いてくれていればその都度確認することができます。

 

どこで誰がどんなふうにつまづいているかはあまり周りには気づかれないものです。

 

私のように、特別な支援が必要とされる人への対応と同じ伝えられ方で救われる人も多くいるのではないでしょうか。

 

「特別支援」は万人に対応するものです。

 

まだまだ英語社会に慣れない私でもわかりやすかった、ニュージーランドの「Stay Home」。

 

短く簡単な言葉で、肯定的にわかりやすく。

 

詳細の説明では、ロックダウンは4週間続きます。4週間が終わる前に再度会見を開きます。ロックダウンをしたからと言って10ー14日は感染者数が増えるでしょう。でも心配しないでください。その後に効果が現れるはずです。他人とは2mの距離をとって、、、、などなどたくさんの数字が出てきました。

 

具体的に、見通しが持てる説明だったのです。

 

言葉をわかり始めた子どもから高齢者まで全年齢層に

移民が多いからこそ英語初心者でもわかる簡単な単語で

耳が悪くても分かるように首相会見には手話同時通訳

誰にでもわかりやすく絵表示のポスターが街中に

 

伝える力の強い人の言葉は多くの人に届きやすい、そう感じます。

 

みなさんも目の前の人に伝える時、ぜひどんな人なのかどうすれば伝わるのか一度考えてみてください。

 

そこまでやらないといけないのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それはみなさんが伝えたい相手と伝えたい熱量次第です。

 

私が今回紡いだ言葉もみなさんに届いていますように。

 

簡単に書いたつもりですがちょっと長くなったので「わかりにくく」なっちゃってるかもしれませんが。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

【ニュージーランド 特別支援】多くのNZ教師が取り入れている感覚遊びにも使いやすいフードカラーリング

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ニュージーランドの特別支援学校でTeacher Aidというポジションで日々子どもたちと過ごしています、mayumiです。

 

Teacher Aidは主に担任の先生の指示の下、授業/活動の補助的役割を担っているのですが、先生によって授業の内容や進め方は全然違います。

 

 

www.kiwilifeofmoana.com

 

 

音楽の要素が強かったり工作の時間が多かったりと先生が得意な事が見えやすいことに加えて、引き出しの多さはクラス運営に顕著に現れています。

 

使うアイテムも先生それぞれなんですが、今日は多くの先生が使っているフードカラーリングとその使用アイデアを少しご紹介します。

 

 

フードカラーリングとは

 

フードカラーリングは食紅・着色料・食用色素などと呼ばれる事が、多い食品に色を付けるためのものです。

 

粉末・ペースト・液体などの種類がありますが、NZの支援現場でよく使うポピュラーなものは液体のもの。

 

海外のスイーツってすごい色をしているのもが多いというイメージはありませんか?

 

スポンジケーキがナチュラルなクリーム色ではなくピンクや赤や緑さらには虹色だったり。

 

そういう色を付ける時に使うのがフードカラーリングです。

 

ニュージーランドではスーパーマーケットで簡単に手に入るので、気軽さもいいのかもしれません。

 

日本では普通のスーパーでも買えるんでしょうか?

 

 

特別支援教育に使用しやすいワケとデメリット

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日本では着色料=体に悪い という事をく耳にしますし、よくわからないながらも私もそんな風に感じていて、海外に住んでいてもどぎつい色のスイーツなんかは未だにあまり食欲がそそりません(笑)

 

それなのにオススメする理由は、特別支援教育においては利点が多いと感じているからです。

 

メリット

①食べても大丈夫・安全性

これが最大のメリット。

 

特別支援を必要とする子どもたちの中には異食する子がいます。

 

ある特定の食品ではないものを食べてしまう子もいれば、なんでもかんでも口に入れてしまう子もいるでしょう。

 

そういう子に対しては食べてもいいものと食べてはいけないものを教える・行動を抑制する・違うものに興味を持たせる など、支援の必要性はあるかもしれませんが、瞬時にするのはハードルが高く不可能に近いかもしれません。

 

せっかくの活動中も食べてはいけないものを使っていると支援者もずっと気を張っていないといけないですし、「注意」や「制止」の声掛けがどうしても増えてしまいます。

 

そう、スタッフ側の行動・言動を抑制できる場面が増えるんですよね。

 

絵の具やそのほかのカラー材を使っているとどうしても「あ~食べちゃダメ」「汚いよ~」「舐めないで~」とスタッフの悲鳴に近い声が飛び交いませんか?

 

その声かけと一緒に子どもの手を取って絵の具から離したり、絵具そのものを離したりという行動もやってしまいませんか?

 

発達障害の支援現場ではネガティブな表現ではなくポジティブ・肯定的な声掛けが推奨されていますし私も日々気を付けていますが、発達障害に限らず障害を持つ子供の多くはどうしても健常児に比べると失敗経験が増えてしまう傾向にあります。

 

それは実は失敗したり悪い事をしていない場面でも大人が先回りして失敗やこれから起こることを予測して止めてしまうことで容易に起こってしまうと思うんです。

 

それが先に述べたような声掛けと制止です。

 

その声掛けが減るだけで子どもたちはのびのび活動を楽しむ事ができるのではないでしょうか?

 

着色料を多量に摂取すると良くないという記事をいくつか見ましたが、それでもフードカラーリングは元から口に入れても大丈夫なように作られているものなのでゴクゴク飲んでしまったりしない様にさえ気をつければ、手についたものを舐めてしまっても慌てて吐き出させたり洗ったりすることなく笑って活動を続けられる場面が増えます。

 

②目に楽しい変化が少量で起きる

お菓子作りにフードカラーリングを使ったことがある方ならご存知だと思うのですが、フードカラーリング とっても少量でも結構綺麗に色が付きます。

 

後で使い方も紹介しますが、水に混ぜたり、粉に混ぜたりするのもほんの数滴で見事に色が変わります。

 

子どもたちの目の前で透明な水も真っ白な粉も瞬時にカラフルになるのを見せる事で子どもたちの興味を惹きつける事ができるので、その後の支援を展開しやすい場面をたくさん見てきました。(もちろん絵の具でもこれはできますが)

 

デメリット

実際に授業で使っていて1つだけ水性絵の具を使うよりも明らかなデメリットがあります。

 

それは落ちにくいという事。

 

水性絵の具だったら肌についても水ですすげば割と簡単に落ちますし、服についても水で洗えば割と綺麗に落ちますよね。

 

つまり家に帰ることにはほぼ綺麗な状態で帰る事が出来ます。

 

しかし、フードカラーリングは石鹸で手を洗ってもなかなか落ちないし、洋服もしかり。

 

工作用にエプロンをしても顔についたり服で拭いたりハプニングは続出!

 

そこで気になるのが保護者からのクレームかもしれません。もしかするとこれが原因で使えない/使いたくない先生も出てくるかもしれませんが、NZではほぼ問題なしなんです。

 

それは、子どもが汚れた服で帰ってくることをよしとする保護者が多いからです。

 

手や服が汚れているという事は学校で何かしらの活動に本人が参加したという証拠と捉えてくれる保護者が本当に多い。

 

「服は洗えばいいから気にしないで」と言ってくれるお母さんが多い!「うちの子を楽しまさせてくれてありがとう」という感じです。

 

私の感覚では「こんな格好で帰宅させられない」と必死に綺麗にしていたのですが、他の先生たちは口を揃えて「そんな綺麗にしなくて大丈夫だよ~」って。

 

特別支援の現場だけではなく他の先生たちや保護者の方が育ってきた環境でもあるのかな?と思っていますが。

 

何をするのにも割と大胆です。(まだNZスタイルに慣れない私は毎回ひやひやしていますが)

 

使い方のアイデア

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アイデアは無限大だと思いますが実際にどんな風にフードカラーリングを使っているか、少しだけご紹介。

そのままの使い方、クッキングに

シンプルに王道の使い方です。

 

小学部10歳~15歳の子のクラスに居た時によくやっていたカップケーキ作り。

 

スーパーで売っている簡単カップケーキのキットを使ってのカップケーキ作りの時に、カップケーキ自体はそのまま普通に焼いて、最後のアイシングづくりの時にベースのアイシングに子どもそれぞれが好きな色を選んで着色。

 

「自分の」カップケーキが分かるようにしたり色を混ぜて新しい色を作ったりしていました。

 

作るところから楽しむ、口に入れても大丈夫な粘土づくり

カップケーキ作りは割と機能の高い子どもたちとやっていたのですが、この粘土づくりは色々な障害の子が楽しんでできます。

 

粘土は子どもが好きなおもちゃの1つだと思いますが、それを作る工程から。

 

全工程感覚遊びです。

 

 

必要なものは

  • 小麦粉
  • それからフードカラーリング

 

作り方はとっても分かりやすくまとめてらっしゃるページを見つけたのでこちらから⇩

 

小麦粉粘土の作り方|幼児教材・知育プリント|ちびむすドリル【幼児の学習素材館】

 

粉のサラサラ、水を混ぜてねちょねちょに、さらに油を混ぜてネタネタに。様々な感触を楽しむことができます。

 

粘土ができたら色を混ぜて、色の変化を目で楽しむ。

 

色んな色の粘土ができたらそこからは創作遊び。存分に楽しんでください。

 

簡単に揃う材料でできるし、高いものでもないので色が混ざってしまって汚い色になってしまったら捨ててまた作る。

 

気軽さがオススメです。

 

 

少し色を付けたい時に

これはいつ・どんなときに、という訳ではないのですが、あらゆる場面で視覚を刺激して子どもたちの興味を向けるのに使ってみてください。

 

水遊びの場面では、カップごとに違うフードカラーリングを数滴垂らして色のついた水を作ってみたり、

 

シェービングフォームと混ぜて色のクリームを作ってふわふわの感覚あそびをしたり。

 

お米ののりに数滴入れてカラフルなベタベタあそび(これはスタッフ側がかなり嫌かもしれませんが)もできます。

 

 

 

カラフルだったり子どもたちの好きな色の物を使うとエンゲージメントがあがるので、個別支援でもグループセッションでも子どもたちがセッションに参加するきっかけを作りやすくなります。

 

もちろん子どもたちによってはほんの短い時間しか興味が続かない子もいますが、まずは興味を持たせるのが難しいですもんね。

 

「本人の好きなもの」は日々先生方が必死に探していることの1つだと思いますし、私もその1人ですが、やっぱり無色よりも色のついたものの方が反応が良い気がしませんか?

 

 

もし良かったら試してみてくださいね。ではまた、See you! 

 

同じくNZの支援学校で取り入れられているReading Storyについてはこちら⇩

 

www.kiwilifeofmoana.com

 

 

英語が苦手でも大丈夫!YouTubeで子どもと一緒に学ぶReading Storyとオススメの英語の絵本≪4選≫

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ニュージーランドの特別支援学校に勤める私がオススメする、英語が苦手な親御さんでもできる無料で楽しめる英語学習法を今日はシェアしたいと思います。

 

この記事を読んでほしい人⇩

  • 赤ちゃんから小学生低学年くらいの子どもをもつ保護者の方!
  • 家に居る時間が増えてきてやることのアイデアも減って来た、、、
  • 自身は英語が苦手!でも子どもを英語に触れさせたい!
  • 子ども向けでも英語教材って高いと思っている方!
  • 子どもが家に居る時間家事が進まない!というお母さん方にも!

そんな方に向けてとっても簡単なオススメ学習方法をお伝えします。

 

この記事を読み終わった時には早速始められますよ。

 

 

 

 

Reading Storyとは

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Reading Story(リーディングストーリー)とは、絵本を読む事で本の読み聞かせを意味することもあります。

 

最初に「この記事を読んでほしい人」でも書いたのですが、今回の記事は赤ちゃんから小学生低学年くらいをターゲットにしていますが、その時期子どもたちはたくさん絵本に触れる機会が多いと思います。

 

赤ちゃんや幼児には読み聞かせを大人がすることが多いでしょうし、小学生に入るころには子ども自身がドンドン読むようになりますよね。

 

それらの絵本を読む事をリーディングストーリーと言います。

 

どうしてReading Storyをオススメするのか

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今回提案するのは英語での読み聞かせです。

 

英語と聞くと一気にハードルが上がる方が多いかもしれません。

 

私も海外に住んで4年程経ちますが、現在ニュージーランドの現地校スタッフとして勤務しているにも関わらず、本の読み聞かせはすごく緊張するし全く自信はありません。

 

しかも絵本と侮るなかれ、絵本に出てくる単語って意外と難しいんです。

 

だからきっとすすんで英語の本の読み聞かせる親御さんはなかなかいないのではないかな、、、と思ったときにYouTubeのリーディングストーリーがいい!と思った訳です。

 

YouTubeをかけて子どもと一緒に見る、それだけ。

 

YouTubeにはたくさんの絵本のリーディングストーリーが上げられているのですが、多くは読み聞かせのように大人が絵本を絵本の通りに読んでくれているものが多く、同じ絵本でも違う読み手がいたりして自分や子どもの好みで選ぶことができます。

 

実はこのYouTubeや動画サイトを使ったリーディングストーリーは学校現場でも取り入れられていて、私が勤務する学校でも本読みの時間はこれを使ったりすることが多いです。

 

オススメする理由は、

  • 動画をかけるだけで手軽に始められる
  • 絵本なので子ども向けの簡単な単語が多く使われる
  • 子どもの年齢に合わせて絵本も選択しやすい
  • 子どもたちにとっては音と画面、目と耳で英語を楽しむことができる
  • 子どもが好きなリーディングストーリーが見つかれば学習させながら家事の時間が作れる
  • 見るだけなので大人も一緒に楽しめる などなど。

 

YouTubeでReading Storyと検索するとたくさん出てきます。

 

もし見てみたいものがある方は絵本の「タイトル Reading Story」で一度検索してみてください。

 

オススメの絵本とYouTubeページ≪4作品≫

 

せっかくなのでニュージーランド(おそらく英語圏の諸外国でも)で有名な絵本とそのYouTubeリーディングストーリーのページを4作品選んでみました。

 

文章も一緒に出てくるものを選んだので、保護者の方も一緒に読んだり楽しめると思います。

 

The Very Hungry Caterpillar


The Very Hungry Caterpillar - Animated Film

日本でも大人気の「はらぺこあおむし」の英語版です。

 

アニメーションになっているものもあったのでそれを選んでみました。

 

もうすでに物語を知っている子も多いのではじめての英語のリーディングストーリーにはもってこいかなと思います。

 

みなさんご存知の通り、はらぺこな一匹のあおむしがいろんな食べ物を食べて最後には蝶になるお話。

 

数、曜日、食べ物の名前それからあおむしの成長について学べる一冊です。

 

The Gruffalo


THE GRUFFALO (BOOK), KIDS READING - WITH ENGLISH SUBTITLES

 

こちらも日本語に翻訳されて出版されている絵本で邦題は「グラファロ もりで いちばん つよいのは?」です。

 

一匹のネズミが他の動物に食べられないように怪物グラファロを使い機転を利かせて他の動物とグラファロから逃げるお話。

 

We're Going on a Bear Hunt


Michael Rosen performs We're Going on a Bear Hunt

 

リズミカルなこのおじさんのファンなのでこれが私のイチオシ!

 

「きょうは みんなで クマがりだ」というタイトルで日本語版が出ています。

 

子どもたちがクマ狩りに行く冒険ストーリー。

 

表情豊かなおじさんとたくさんのオノマトペが出てくるので全然英語が分からなくても見ている・聞いているだけでも楽しいです。

 

おじさんの動きを真似する子も出てきそうです。

 

この絵本由来で今英語圏の国々でコロナで外出があまりできていない子どもたちに向けてテディベアハントが流行しています⇩

www.kiwilifeofmoana.com

 

Wonky Donkey


The Wonky Donkey

Wonky Donkey(ウォンキー ドンキー)「よろよろしたロバ」という意味で、調べてみたのですが、日本語版は出ていないようです。

 

おそらくその理由はたーくさんの韻を踏んだ言葉が出てくるので、日本語にしてしまうと良さがなくなってしまうからかな~と思いました。

 

「~ky」という単語がいっぱい!読み手と一緒に言ってみましょう♪

 

 

 

私のオススメ絵本と一緒に動画のリーディングストーリーをご紹介しました。

 

YouTubeの良いところはひとつ見終わると似たような動画のオススメが出てきますよね?それでぜひみなさんのお子さんのお気に入りリーディングストーリーをみつけてください。

 

またご家庭で簡単に英語に触れられるアイデアが浮かんだらシェアしますね。

【ニュージーランド】ロックダウンが決定してからの学校の動き(特別支援学校)

ロックダウンから1週間、私が働く特別支援学校も休校になってから10日経ちました。

 

今日もオークランドはいい天気で、ロックダウン中という事もあって家の周りはほとんど人も歩いておらず、のんびりとした空気が流れています。

 

今日は今回のコロナウィルス COVID-19の騒動に関して私の働いている学校がどういった対応をしているかを末端職員ではありますが私の視点でまとめて置こうと思います。

 

 

私が勤務している学校

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オークランドの公立の特別支援学校で働いています。

 

Base(ベース)と呼ばれる基幹学校が2つあり(もともと2つだった学校が数年前に合併したため)、Satellite(サテライト)と呼ばれる普通学校に併設されたクラスが6カ所の学校にあります。

 

クラスは全部で約20クラス(年度によるよう)。

 

子どもたちの障害は、身体障害・知的障害・発達障害など様々です。

 

私は現在、脳性麻痺で車いす利用をしている子と発達/知的障害の子がミックスされたクラスに配属されています。

 

私のポジションはティーチャーエイドといって、先生の指示の下クラスの補助をする補助教員。

 

普段、ティーチャーエイドに連絡が回ってくるには、

校長先生

 ⇩

マネージメントチームの先生

 ⇩

担任の先生

 ⇩

ティーチャーエイド

という組織図です。

 

ロックダウンまでに起きた学校からの対応

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ニュージーランドでは3/26からロックダウンが開始したのですが、その2日前の3/24から学校は休校になっています。

 

急激に政府の対応が進んだので学校もバタバタしていたと思いますが、私(末端職員)に起こったこと。

 

2/28(ロックダウン決定まで約3週間) 

・ニュージーランド初めての感染者がオークランドで出る

→学校通常開校

 

3/18(ロックダウンまで1週間)

・事務担当職員から全スタッフに健康チェックと緊急連絡先の確認フォームが送られる

→ぜんそくや糖尿病、高血圧や低血圧といった基礎疾患を持っているか

→緊急連絡先は入職時に届けているが再度確認

「できるだけ早く返信してください」と記載されていた。

 

・事務職員からの連絡に校長先生からの言葉が一緒に添えられている

→「異常事態に不安を覚えるスタッフもいるでしょうが、学校はいつもスタッフの味方です」

→毎日教育省の人とコンタクトを取っている事

→今のところ、学校内で感染者が出るか、教育省から直接休校命令がない限り通常通り開校する

→もし休校になってもスタッフの給料はいつも通り支払われる

 

☆近くの学校から感染者が出ていたこともあり、スタッフ間ではそろそろかという雰囲気が溢れていた。「休校になったら給料は支払われるのか」という疑問はすでに不安として話題に上がっていたが休校指示が出るのを待たずに校長先生から給料保障についての言及があり、胸をなでおろした。

 

 

3/23(月)朝(ロックダウンまで3日 学校最終日になるがまだ休校決定前)

・多くのスタッフが欠勤・生徒も半数ほど欠勤

→数日前から生徒に関してはもともと身体や免疫が弱い子を中心にちらほら欠席が増えていたがこの日はごっそり半数ほどが欠席。

→スタッフは、健康チェックで基礎疾患を持っている項目にチェックしたスタッフには前日に校長先生から連絡があり、自宅待機が言い渡されたそう。

 

3/23(月)昼過ぎ(首相による警戒レベル3が発令される)

→政府の会見の情報を得たスタッフから警戒レベル3が出て48時間後にロックダウンが始まるという噂が瞬時に広まり、明日からもう学校ないなという情報を得るが詳細ついていけず混乱する。しかし周りも混乱していたので詳細が分かるまで聞かない事に。

→普段は違う場所で勤務しているマネジメントの先生たちがバタバタしていてとても緊張感があった。

→私の仕事が終わる時間までには学校からの通達はなし。でも他のティーチャーエイドから「もう明日は来なくていいよ~」と言われ困惑。正しい情報がわからない!

→担任の先生と連絡先の確認・Facebookの友達申請

→日本人の同僚に確認「担任の先生から明日から学校休みと連絡があったよ」と教えてもらう

 

☆警戒レベル3は学校が閉まるレベルだったそうで、首相会見でレベル3が出た時点で休校になることは決まっていたようです。

それを知らなかったので休校が明日から行われるのか分からなくて混乱しましたが、これまでも必要な情報は校長先生の名前付きでメールが来ていたので待つことに。

 

3/23(月)夕方(休校決定、ロックダウンまで2日)

・校長先生からメールが来る

→警戒レベル3になったので、もう今学校は閉鎖状態であること

→給料は普通通り支払われること、有給休暇の使用ではなく特別休暇であること

→休校中の連絡先の確認(何かあった時にどこに連絡すればいいのか)

 

・休校中スタッフに求めるもの

→スタッフ間の繋がりをもつこと

 →1週間に一度は先生は生徒の家族に連絡を入れる事

 →1週間に一度は先生はティーチャーエイドにメールか電話をする事

 

・オンライン学習について

→先生たちはSeesaw(シーソー)と呼ばれる、先生・保護者のフェイスブックのような共有サイトに毎日家庭学習用のアイデアを投稿する事

 

☆以上の通達でやっと休校が現実味を帯びた私。校長先生から、お給料についての再提示・困ったらどうしたらいいかが困る前に伝えられて安心感があった。休校の間もスタッフと連絡を取り合うように指示もあり、繋がりを感じられる環境にありがたみを感じた。

 

☆通常の学校ではロックダウン開始前に、オンラインで授業をする体制を整えるために各家庭にインターネットやデバイスの確認をしたり、先生方が慣れないオンラインでの授業をどうするかということで大慌てだったと知り合いから聞いていたが、私が働いている支援学校では普通学校のように授業を受けられる生徒はほとんどいない。

人との関わりの中で学ぶ事が多い生徒に対してどうするのかな、と思っていたが保護者次第というところは否めないが先生たちが家庭でもできるアイデアを家族に提示して学びの機会をなんとか維持しようとしている事が伺えた。(私はそのSeesawを自由に見られる立場にないのがなんとも残念!)

 

 

ロックダウン開始後

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今日、休校になって10日目です。

 

毎週学校から送られてくるニュースレターは引き続き送られていて、校長先生の言葉が添えられています。

 

その他、事務スタッフからウイルス関連のニュースがシェアされ、「学校の一員だからメッセージをシェアするわね」と毎日か2日に1回は何かしらメールを受け取っています。

 

そして本来だったら4/10~秋休みの予定だったのですが、秋休みを前倒しし3/30~秋休みと変更になる連絡が入りました。

 

つまり通常でも仕事がない時期。ホリデーです。先生陣ももちろん校長先生もお休みです。

 

そんなホリデー開始から3日目、1件の電話が。

 

まさか校長先生でした。

 

「大丈夫?ロックダウン中はどう過ごしてる?」と言った内容。

パートナーと住んでいるけど、彼がエッセンシャルワーカーで働いているから日中は1人な事や、不安はあるけどテレビを見る時間を制限したり友達と話したりしてストレスを溜めないようにしてるよ、と報告。

「日本の家族は大丈夫なの?都市部に住んでるの?」と私の家族の事も聞いてくれました。

 

約20クラスある学校、担任とティーチャーエイドが各4人~5人くらいそれからOT/PT/STといったセラピストチームにリリーバーという臨時スタッフに事務関係のスタッフなど総勢150人くらいはいるんじゃないかなぁ?の一人ひとりに自ら連絡をくれたのでしょうか。

 

こんな事を校長先生にしてもらえると思ってなかったので驚きと嬉しさ、信頼感がすごい高まっています。

 

そして今日は担任の先生からも電話が入りました。

 

他のティーチャーエイドからはFacebookで面白い動画がシェアされて来たりして繋がりを持つ事が出来ています。

 

 

この学校の対応から思う事

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正直、今まで先生とうまくいかない事もあったし、その都度上の人に相談してもすっきり解決しない事の方が多くてマネジメントの先生方に対してあまりいい印象を持っていなかったり学校に対してもティーチャーエイドはあまり大切にされていないと感じていました。

 

しかし、このコロナ騒動一連の校長先生の指揮はとてもわかりやすく、また全スタッフを含めた学校全体で一丸となってこの事態を乗り越えなくてはいけないという考えを感じる事が出来ました。

 

一応今のところは今回のロックダウンは4週間と言われていますが、まだ先は見えていません。

 

いくら教育省と連絡を取っているとはいえ、きっと校長先生もまだそんなに大差のない情報しか持っていないのではないかと思います。

 

それでもまたロックダウンが終わる前に連絡すると言ってくれていたし、今はもう校長先生を信頼して待つしかないな、と感じています。

 

もちろん不安がないわけではありません。今は普段通りもらえているお給料だってずっと学校が開かなければどうなるかなんてわかりません。

 

でも今はただロックダウンが終わる日を待つのみ。

 

トップが今の校長先生で良かったと思っています。

 

先に不安を取り除く提言をしてくれ、見通しが立つようにしてくれましたし、きっとわからないこともあったでしょうが分かり次第すぐに連絡が入っています。

 

私ができる事はただStay Home, Safe Lives。

 

みなさんも気をつけてくださいね。

 

ではまた、See you!

ロックダウン中のニュージーランドで流行中のベアハントって何?

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久しぶりの更新になってしまいましたが、このブログを書かなかった一か月は世界の流れが尋常じゃないスピードで流れて行きました。

 

コロナウイルス、COVID-19。

 

私がいるニュージーランドでは2/28に初めの感染者が確認されました。

 

徐々に感染者が増え、3/23には国内の警戒システムのレベル3、および48時間後にはレベル4に引き上げる事が発表されました。

 

それに伴いほぼすべての学校が3/23から休校、25からはスーパーなどの重要サービス以外が営業を禁止されています。

 

ロックダウン(都市封鎖)なんて今まで聞いたことも経験したこともなく、言葉からの不安感が強く普段はイージーゴーイングなキウイも買いだめに走ったりパニックが見られました。

 

しかし徐々に落ち着きを取り戻し、いざロックダウンの始まった昨日はどこのスーパーも割と落ち着いているという報告がTwitter上に溢れています。

 

そしてこんな制限の多い生活が始まったばかりですが、ニュージーランドらしく地域で支え合ってなんとか乗り越えようとしているほっこりする取り組みを見つけました。

 

それが今日紹介するベアハントです。

 

 

ベアハントってなに?

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ベアハント(もしくはテディベアハント)とはロックダウン中の今ニュージーランドで流行っている子供向けの遊びです。

 

各家庭の窓際や玄関先、または木の上など通りから見えるところに置かれたテディベアを探す遊びです。

 

こんな感じで外から見えるように置いているお宅が多いです。(人様のおウチなのでちょっと写真撮りづらい)

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友達と会う事は禁止されているので、参加条件は1人でやるか、一緒に住んでいる家族とだけ遊べること、かな。

 

探したテディベアを写真に撮ってTwitterにシェアしているフォロワーさんも多いです。

 

どうしてこんなことをするのか

今、最低4週間のロックダウン中のニュージーランド。

 

そして日頃からとっても子どもたちを大切にするニュージーランド。

 

ロックダウン中は学校も休校していて、友達と会う事も遊ぶこともできません。

 

私たち国民に認められていることは、

・できる限り自宅にいる事

・スーパーでの買い物や通院

・一緒に過ごしていいのは同居している家族のみ

・自宅周辺の散歩(車に乗って近くの公園やビーチもダメ)

・他人との距離は2m以上保つ

なんです。

 

この環境、どう考えても飽きますよね。大人でも結構しんどい。

 

そしてずっと家に居るのは誰にとっても健康上よくないということもあり、散歩やサイクリングなどは推奨されています。

 

しかし、目的がエクササイズだけの散歩ってあんまり楽しくなかったりしませんか?

音楽を聴いていたり誰かと話しているとマシですが普段から一緒に住んでいる家族とは会話しているのであまり変わり映えがないでしょう。

 

そこでただの散歩ではなく’楽しみながら’散歩を楽しめるように子どもたちを地域みんなで支えようよという姿勢なのかな、どんなシビアな環境でも子どもたちに楽しみを与え、辛くならないように工夫して飽きさせないようにしようってことなのかなと思いました。

 

私も早速散歩にでかけてみると本当にたくさんのテディベアを見つける事ができて大人の私でも楽しかった!

 

ただ単にエクササイズの為に歩くより断然楽しいです。

 

唯一私が一緒に住んでるから一緒に行けるパートナーと散歩には行きますが、彼ははじめベアハントは子ども向けと思っていたのか興味なし!って感じだったんですが、私が探しながら歩いてるので遅いんですよね。少し先を歩く彼が「みつけた!あそこもあそこもあそこも!」と探すようになって。

 

私より視力もいいので遠くまで探してくれて。

 

おうちによってはクマがのぞいているように飾られていたり、車の運転席におっきいクマが座っていたりで笑えるんです。ロックダウンで変わり映えしない毎日になっているので些細な事ではあるけれど興味を持って取り組めることや笑える事はとっても大事だなと感じられます。

 

毎日散歩は違うルートで新しいクマ探ししています。

 

ちなみに、変化球もあり。

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子どもたちが楽しかったらなんでもいいんです!

 

うちのお隣さんはぬいぐるみがなかったのでしょう、犬の写真を印刷して切り抜いて貼っています。

 

アイデアは無限大!

 

ユーモア満点の私の同僚は↓

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ビール瓶のキャップで作ったクマ!庭に飾っているようです。

 

子どもだけじゃなく大人も楽しんでます。

 

私は使わなかったのですが、ベアマップもあるんですよ!

NZ Bear Hunt - Google マイマップ

 

見てみたら予想以上の人がアップしていて、ニュージーの地図はもうクマで溢れかえっています。

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Facebookのページもできていたり、この活動に首相のジャシンダも賛同していたり本当にビッグウェーブです。

 

うちもマップには載せていないけど誰かがハッピーになってくれればいいなと窓際に置いてみました。反対側の窓にはミニオンも♪誰か気づいてくれてるといいな。

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どうしてベアハントなのか?ネタ元はコレ!

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そもそもなんでテディベアなのか。

 

実はイギリス発祥でニュージーランドでも大人気の絵本「We're Going on a Bear Hunt」とかけているんです。

 

子どもたちがクマ狩りに行くお話。

 

草地をかき分け、川や沼を渡り、森を抜けて吹雪に遭いながらクマを探しにいく冒険物語。

 

たくさんのオノマトペが出てくる子どもたちに大人気の絵本です。

 

多くの子どもたちが知っている物語を現実の世界でやってみるってやっぱり遊び心があるなぁとキウイに感心してしまいました。

 

その絵本で何度も繰り返し出てくるフレーズがコレ。

We're going on a bear hunt. (クマ狩りにいこう)
We're going to catch a big one. (大きいのを捕まえるぞ)
What a beautiful day! (なんていい日だ!)
We're not scared. (こわくなんかないぞ)

 

このフレーズ、覚えていて言える子も多いです。

最後のWe're not scaredが今回のコロナのこととかけてるのかな?なんて勘ぐっている私です。

 

日本ではきっと有名ではないと思うけど、日本語訳されてました!

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日本でもロックダウンや非常事態宣言がいつ起こるかわからなくなってきています。

 

行動自粛で子どもたちがいつものように楽しめない毎日が来るかもしれません。

 

この絵本は日本では有名ではないかもしれませんが、みなさんも通りから見える窓際にそっとクマのぬいぐるみを置いてみてはいかがでしょうか。きっと通りすがりの一瞬でも子どもたちに笑顔を与えることができるかもしれませんよ。

 

日本でもベアハントのブームが起こるかもしれません!

 

世界的に厳しいこの状況、すべきことはきちんとしつつも楽しみながら心沈まず乗り越えたいところですね。

 

 

STAY SAFE!

We're not scared‼

 

【ニュージーランド福祉】またもや大手が動いた!The Warehouseが「自閉症フレンドリーアワー」導入。

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常に多様性の最先端を走る国の1つ、ニュージーランド。

 

移民の受け入れも積極的に行っているので外国人の割合は多いですし、日本ではずっと問題になっている男女平等の観点でも女性の社会的地位は日本のそれに比べるととても高かったり男性の育休取得率も格段に高いものとなっています。

 

その他、LGBTにも寛容で同性婚は法律で認められているし隠さずにオープンに生きている人が多いです。

 

色々な人がいる社会が当たり前のニュージーランドではここにスポットが当たることもなんの不思議もないのですが日本ではまだまだマイノリティで弱者扱いを受けやすい「障害者」。

 

昨年、大手のスーパーマーケット カウントダウンが自閉症の支援団体のサポートの元 感覚過敏の人々を主な対象とした「クワイエットアワー」の実施を始めました。

 

www.kiwilifeofmoana.com

 

それに続けとまたもや大手の会社が動いたのでまとめます。

 

 

 

今回のメインの仕掛け人はThe Warehouse

赤い看板が目印のニュージーランド大手のホームセンター、The Warehouse。

 

生活用品が衣類から電化製品やガーデニング用品までなんでもお手頃価格で手に入るお店で、私も日頃よく利用するなんでも屋さんです。

 

経営母体のThe Warehouse Groupも大きく、The Warehouse以外には文房具に特化したWarehouse Stationery・電化製品のNoel Leeming・スポーツ用品のTorpedo7といったブランドを展開している会社です。

 

Altogether Autism Hourとは

2019年12月に発表されたAltogether Autism Hour。

 

Altogether Autismのホームページによると、

The Warehouseは2020年初めに選ばれたThe Warehouse店舗にて「低刺激で自閉症フレンドリーな買い物の時間」を6週間にわたり試験的に開始する。その後全店舗に拡大するのが目標。

と書かれています。

 

詳しくどんなことをするのかは書かれていませんでしたが、今日店先でこの看板を見つけました。


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水曜日の6pm-7pmの1時間が対象時間のようです。

 

看板や、ネット上の情報からは私が訪れたお店が試験店舗だったのか、それとももう全国で開始されたのか、はたまたどんなことをするのか詳細はわからなかったので情報が入り次第追記します。

 

サポートはAltogether Autism

The Warehouseとこの取り組みを進めているのがAltogether Autismという自閉症スペシャリスト団体。

 

主に自閉症当事者や家族、それから自閉症の人に携わる教師などの教育者・サポートワーカーやGP(かかりつけ医)などにアドバイスや相談に乗ったりしている団体のようです。

 

カウントダウンのクワイエットアワーの助言も自閉症団体が行っていましたが、障害者団体が大手の企業とタッグを組んで社会を変えて行っている様子が伺えます。

 

この活動による影響とこれからの他企業へのひろがりを期待

今回The Warehouseで看板を見つけたことでこのAltogether Autism Hourの存在を知ったのですが、驚きではなく「やっぱり始まったか」という印象を持ちました。

 

それはやはりさきがけのカウントダウンのクワイエットアワーの反響がいいから。

 

カウントダウンのところでも触れたのですが、きっかけは自閉症の人たちの感覚過敏によるショッピングの困難さというところにスポットが当てられたものなんですがいざ始めてみると予想以上の反響があったんだと思います。

 

感覚過敏ではない人の中にも低刺激の店内に安心を感じる人は多いんです。

 

一般市民が生活に欠かせないスーパーマーケットとホームセンターで業界の1,2を争う全国展開の会社が動くことで市民への認知の広がりは早いでしょうし、今回のThe Warehouseに限っては(まだ試験段階かもしれませんが)6-7pmと利用客も多い時間の開催になっています。

 

感覚過敏ではない人が作っている社会には過敏の人にとって生きにくさを感じる事があることを過敏ではない人はどうしても気づきにくいんですよね。

 

そんな社会ではまず「感覚過敏の人がいるんだ」と知る機会が必要。

 

そんな重要な機会の提供をクレームを恐れることよりも自ら実践していく大手企業にはやっぱり良い評価が集まる気がします。

 

そうするとこのいい流れが広がっていかない訳がないと思うんです。

 

次はどの企業が実践に着手するのか楽しみにしています。

 

 

 

参考文献

Altogether Autismのページ↓

www.altogetherautism.org.nz

 

 The Warehouse Groupの多様性と包括についてのページ↓

The Warehouse Group :: Diversity & Inclusion

NZ特別支援学校の新年度1日目の様子

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ニュージーランドではクリスマス前から約6週間の夏休みがあって、1月末から2月の初めに新年度が始まります。

 

私が勤めている学校では、子どもたちの登校初日の前にスタッフだけの打ち合わせの日があります。

 

日本とは違う様子もあるのでちょこっと書いてみたいと思います。

 

 

スタッフだけで何をするの?【スケジュール】

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マネージメントの先生たちは新学期の始まる数日前から、ミーティングがあるようですが、私のポジション(Teacher Aid)は1日だけ。

 

しかもたった2時間半。

 

・ポフィリ

・モーニングティー

・ミーティング  以上

 

ポフィリとは?

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ポフィリってなんだろう?という方が多いのではないでしょうか?

 

ポフィリとはPowhiriと書くんですが、マオリの伝統的な歓迎儀式を指します。

 

ポフィリとカタカナで書いていますが、ポゥフィリ?ポゥフリ?フとフィの間?みたいな音です。

 

伝統的な歓迎の儀式なんですが、新年度が始まるので新しいスタッフがたくさん入るのでその人たちの歓迎式です。

 

今回は15人ぐらいいたかな~

 

ポフィリはどんなことをするの?

  1. マオリの女性の迫力の掛け声で新しいスタッフが入場
  2. 新しいスタッフと、旧スタッフが間を開けて対面になって座わる
  3. マオリの男性からのマオリ語+英語でのあいさつ
  4. 校長先生のあいさつ
  5. 旧スタッフからのマオリの歌
  6. 新スタッフからのマオリの歌
  7. 新男性スタッフと旧男性スタッフがホンギ
  8. 終了

 

マオリの儀式なのでマオリ語もたくさん。

学校と関係のあるマオリの方がこの日の為に来てくれて式を遂行してくれます。

 

私が旧スタッフとして歌った歌はこちら↓

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これを2回繰り返し。めちゃくちゃ短い。

マオリ語ですが、ほぼローマ字読みで大丈夫なので日本人にとっては読みやすくて発音もしやすいんですよ。

 

ちょっと気になった事は最後のホンギ。

 

ホンギはマオリのあいさつで鼻とおでこを相手の鼻とおでこにくっつけるんですが、男性しかしない。

 

列に並ぶ時も男性が1列目で女性は後ろって決まっていた。

 

マオリも男性優位で文化が作られてきたのかな?なんて思いました。

 

 

モーニングティー

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モーニングティーは休憩(笑)

 

普段も勤務中の午前中に20分の休憩があるんですが、今日はドリンクとフルーツやケーキなどの軽食がふるまわれました。

 

2.5時間しか拘束時間ないのにまさか休憩があるとは思わなかった。

 

しかし、それもニュージーランドの良いところだなと思ったのです。

 

普段私たちは多数の学校で別れて働いていてあまり一堂に会することがないんですが、こういう機会に久しぶりに会ったり、初めましての人とも話したり情報交換したりがあって。

 

スタッフ同士で仕事外の話ができる場が勤務時間内に設けられているのはいいことだな~と。私もしっかり他の学校にいる日本人の先輩TAと情報交換させてもらいました!

 

 

ミーティング

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小一時間、顔合わせメインのミーティングがありました。

 

私は今年度配属になったクラスに今まで一緒に働いたことがあるスタッフがゼロ。

 

不安だらけでしたが、自己紹介で色々話して。

 

その自己紹介も本当に行ったり来たり。自己紹介をしている人の話に次々いろんな人が入ってドンドン長く。。。(笑)

 

その後、生徒のメンバー発表とグループ分けと注意点について。

 

誰が車いすユーザーか、服薬しているか、てんかんがあるか、今年で卒業か、初めのうち気を付けた方がいい子の確認。

 

最低限だけど初日に知っておきたい事が聞けて良かった。

 

チームとしてやっていけるかな、頑張ろうと思えた初日でした。

 

 

社員の休みを取りやすい環境をサポートするリリーバーというポジションとは

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 ニュージーランドはワークバランスが良いと言われています。

 

有給休暇が取りやすかったり、残業がほとんどなかったり、休憩時間の確保などなど日本で問題となっているようなことが大幅に少ない勤務環境があります。

 

今回お話するのは、そんな社員の働き方を裏から支えるお仕事『リリーバー(Reliever)』というポジションのお話です。

 

 

 

リリーバーとは

まず、リリーバーってなんだろう?というところなんですが、Reliever やRelieving ○○という形で呼ばれることが多いのですが、「代わりの」という意味です。「代わりの人」「代わりの○○」というところ。

 

ちなみに以前私は「Relieving Teacher Aid」というポジションで雇用されていました。

つまり、代わりのTeacher Aidということ。

 

Teacher Aidのお仕事内容などはこちら↓

www.kiwilifeofmoana.com

 

 

 リリーバーを雇っている場所

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 私が以前リリーバーとして働いていたのは上の記事にも書いた、特別支援学校です。

 

別の特別支援学校でもリリバーポジションはあるようです。

 

他にもリリーバーがいるとよく聞くのはChild careやKindyといった日本の幼稚園や保育園にあたる幼児関係です。

 

もしかすると他の機関でもあるのかもしれません。

 

 

リリーバーの役割

リリーバーは基本的にカジュアルのポジションになります。

 

つまり働く日数や時間がマチマチなんです。

 

どういうことかというと、リリーバーは意味の通り、『本来働くはずだった人が休んだ時にその休んだ人のポジションでその人の代わりに働く』のが役割なんです。

 

私の場合だと、支援学校の補助教員が有給休暇を取っていたり、病欠で急に休んだ時に電話がかかってきて「今日○○学校の〇クラスに8:30~行ってくれる?」というような連絡をもらって働きに行っていました。

 

「急に言われる仕事だと他の予定が組みにくいのでは、、、」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん依頼が来た時(当日の朝や前日)に予定があって無理でああれば断っても平気です。というか、それが当たり前のポジション見たいです。

 

 

どんな人がリリーバーをしているのか

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主婦の人や子育て中の人、学生もいました。

 

メインの仕事(家事や他の仕事・学業など)があって、でも少し稼ぎたいなという人が多いのかな?と思います。

 

私はどれも当てはまっていませんが、リリーバーで働いた理由、それは「リリーバーのポジションだったら空いてるよ」と言われたからです。

 

 

リリーバーから始めてみよう

 以前の記事にも書いた事があるのですが、ニュージーランドでどうにか福祉の現場で働きたいともがいていた頃に、支援学校の先生を紹介してもらって面接のような場を作ってもらったんです。

 

話をしている時に「今正規のTeacher Aidのポジションは空いてないんだけどリリーバーで良かったら契約できるよ」と言われました。

 

実はその時リリーバーが一体なんだかかわからないままOKしたんです(とにかく現場に入りたかったので)

 

そこから働き始めたのですが、たまたまかもしれませんが仕事も割とあってその後正規のポジションをもらうことができました。

 

私は英語力が高い訳ではありません。きっと学校側も不安がない訳ではなかったと思いますし、私の人柄や仕事に対する姿勢もわからないので最初から正規のポジションというよりはリリーバーで少しずつ働いて、、、っていう感じなのかな?と働いていた思いました。

 

他の人も、リリーバーから入って正規のポジションに空きが出れば働きたいと上司にかけあっている人もいました。

 

とりあえず入ってしまうと次のチャンスに繋がると思うのでやってみる価値はあると思います!

 

【朗報】ニュージーランドも保育関係・学校関係・介護業界 人手不足です!

 

 

 

リリーバーがいる利点*日本にも導入できればいい勤務形態

 働いていて思う事、それは日本でもこのリリーバーのポジションってできないのかな?という事。

 

支援学校もそうですし、保育園や幼稚園、それから私が日本で働いていた障害者の支援施設では専門性はもちろんなんですが、人手がどうしても必要な場面があります。

 

そして介護分野も常に人手不足が言われています。

 

事故や危険性を考えると、パッと入った人ができる事の仕事は少ないかもしれませんが同じ人が時々入ることで子どもや利用者さんとの関係もゆっくりですが築いて行く事は可能です。

 

休みを補填してくれるスタッフがいるという事で、フルタイムのスタッフになってからも気を使いすぎずに休みを取る事が出来ています。

 

正規のスタッフが休むと残りのスタッフに少なからず負担はもちろんかかりますが、頭数が揃っていると通常の日とそこまで変わらずスケジュール通りプログラムを行う事ができます。

 

働き方改革なんて言葉をよく聞きますが、こういうところから休みを取りやすい環境だったり、主婦の社会復帰だったりと多様な働き方に対応していけるんじゃないのかなとリリーバーをやってみて感じています。

【ニュージーランドで福祉のお仕事】障害児のホリデープログラム

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ニュージーランドで私のメインのお仕事は特別支援学校の補助教員(Teacher aid)ですが、夏休み期間中に短期のお仕事をしたのでその記録です。

 

 

 

 

ホリデープログラムとは

ニュージーランドの学校は4学期制で、学期の間はホリデー夏休みや春休みなどの休みがあります。ホリデープログラムはホリデー期間中に子ども向けに開催される様々なイベントの総称。

 

今回私が働いたのは障害児向けのプログラムですが、様々なところ(ショッピングモールなどでも)でイベントが催されています。

 

ニュージーランドの夏休みはクリスマス前から1月ほぼまるまるで6週間あるのですが、今回初めて参加したプログラムは8日間の開催でした。

 

サービス主催者と対象の子どもたち

 今回の仕事はSpectrum Careという障害者福祉サービスを行っている団体が開催しているホリデープログラム。

https://www.spectrumcare.org.nz/

 

子どもたちのホリデー期間中の予定によって毎回少し顔ぶれは変わるようですが、今回私がかかわったのは5歳から18歳の知的障害・発達障害を持つ子供たちで、日によって7人から11人の子がプログラムに参加していました。

 

 

どんな事をするのか

メインの仕事場

今回働いたホリデープログラムの開催場所は、私が普段働いている学校の一部。

 

スペクトラムケアと支援学校が提携しているのかな?

 

どういう経緯で学校を使えているのかまで詳しくはわかりませんでした。

 

ただし、おもちゃや筆記具等の備品は学校のものは使ってはいけないようで、あくまでも場所を借りて運営している感じです。

 

一部の部屋とトイレ、プレイグラウンド、車とスタッフの休憩室は学校の物を使っていました。

 

毎日のスケジュール

サービス提供時間は8:30-16:30。

 

  • 8:30~9:00      登所
  •     ~9:30      自由遊び(プレイグラウンド・映画等)
  •     ~10:30-11:00  午前の活動
  •             モーニングティー
  •              お昼の活動
  • 13:30-14:00頃   ランチ
  •           午後の活動
  • 15:30~16:30    お迎えが来た人から帰宅

 

だいたいいつもこんな感じ。

 

活動内容

学校内→アート・クッキング・トランポリン・水遊び・DVD鑑賞・その他おもちゃ遊びなど

 

学校外→プール・ファーム・公園・室内トランポリン・ミュージアム・ピクニック

   

支援内容

ホリデーなので遊びメインですが、子どもたちの抱える障害はそれぞれなので支援することは、

・食事介助

・トイレ介助(オムツ交換あり)

↑直接的な支援より見守りの方が今回は多かったです。

 

・子どもたち同士の関わりの仲介

発達障害を持つ子が多かったのでどうしても遊びの中での衝突が多くありました。(特に片方は悪気がないシチュエーション)

 

・安全確保

外に出る事が多かったので道路への飛び出しや失踪の可能性大でした。

 

・環境整備

気を抜くと一気に散らかるので片づけ片づけ片づけ。(ニュージーランドはあまり子供に片づけさせないのか?と思うほどスタッフが片づけていました。教えないのかな?)

 

・一緒に遊ぶ

一生懸命一緒に遊ぶことも大きな役割!遊びの中から学ぶことはたくさんあると思っています。

 

もっともっとこまごまとした支援はありますが、おおまかにはこんな感じでした。

 

同僚

6人~7人のスタッフ体制で、うち私を含めて3人は 新しいスタッフ。

 

そしてそのうち5人は普段支援学校でTeacher Aidとして働いている人、2人はSpectrum Careの別のサービスで働いている人でした。

 

もちろん英語環境です。今回のメンバーに日本語ができる人はいませんでした。

 

お給料やその他の勤務形態

勤務時間

サービス提供時間と同じ8:30~16:30。

休憩があるので実働時間は7時間半かな。

 

休憩時間

15分間のモーニングティー

30分のランチ

 

基本的にしっかり休憩が取れるように配慮されています。

 

お給料

日本での資格をニュージーランドで使えるように切り替えていない私は無資格者として働いていて、時給20.50ドル(1500円弱)。

 

2週間に1回お給料日があります。

 

資格や学歴の切り替えができればもう少しお給料が上がるはず、、、

 

今回は短期の仕事ということもあってか、ホリデーペイはホリデー(有給休暇)の取得ではなく、8%分の現金がお給料とともに支給されました。

 

どうやって仕事をゲットしたか

普段働いている学校の同僚がホリデープログラムで働いていて、人が足りないので働いてみないかという感じで声をかけてもらったのがきっかけ。

 

色々事前にどんな仕事か教えてもらって、やってみようと決めたら担当者の連絡先を教えてもらいそこからはその担当者と人事担当の人とのやりとりでした。

 

事前に同僚から先方に私の人柄や仕事ぶりは伝えてもらっていたようで、割と話はスムーズに。

 

メールで履歴書を送り、電話面接をし、そこから人事の手続きは全てウェブサイトとメール経由でやりとりでした。(結局一度も人事の人には会わず)

 

働いてみての感想

今回の新しい仕事で1番よかったことは新しい出逢い。

 

それに尽きる。

 

100%新しい環境だと不安が先行してしまうけれど、知ってる人と一緒に知ってる子の支援をできる環境はかなり安心感がありました。

 

そして新しくできた繋がりがとっても大きく、私がやりたい「大人の障害者の支援」をやってる団体と繋がれたこと、ホリデープログラムのボスはおそらく団体の主要メンバーであると思うのでその人に自分の存在を知ってもらえた事。

 

それから、特別深くは繋がれなかったけれど、プログラムを利用していた子の中に日本人がいてそのお父さんと色々お話し出来たこと。

 

自分ではランゲージバリアでなかなか得られない情報を日本語で教えてもらう事ができ、たくさん調べて見ないとなと思うキーワードをもらえた。

 

人と出会い、情報と出会い、自分の血となり肉となっていく。

 

まだまだ日本のそれに比べたら小さい世界で生きているけれど、そんな風に感じた8日間でした。

 

そしてやっぱり感じる、自分の支援のスキルはこっちでも役立つ!

日本の福祉職の人にももっとチャンスがある!!という事。

 

きっかけづくりになる情報発信しいければいいなとさらに思った次第であります。

 

ボチボチですが、福祉関係のツイートもしてますのでよかったらtwitterもどうぞ↓

 

 

ニュージーランドの大手スーパーマーケットが始めたASDや精神障害など含め色んな人が利用しやすいクワイエットアワーとは

2019年10月23日ニュージーランドの大手スーパーマーケット「カウントダウン(Countdown)」がクワイエットアワーを開始した。

 

そこから思うあれこれ。

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クワイエットアワーとは

カウントダウンが始めたこのイベントは、1週間に一度 毎週水曜日の14:30-15:30に行われる。

 

イベントと言ってみたが、そこには派手な装飾や音楽はなく名前の通りクワイエットな時間。

 

照明を減らし、店内放送もオフ。

 

スタッフが店内で商品を補充することやカートの回収も最小限に減らし、その他 入り口やレジから出る音もボリュームが下げられる。

 

普段のスーパーマーケットを知っていれば、それは薄暗く人気も少なく奇妙に感じるほど違う雰囲気だ。

 

どうしてそんな取り組みをやるのだろう。

 

 

自閉症や感覚過敏の人にだけいい時間?

カウントダウンのサイトを見ると “low-sensory”という言葉があった。

 

「刺激の少ない」ということ。

 

私たちはそれぞれが異なる感覚を持っている。

 

今の世界に不自由なく暮らしている人が大半だから今の世界があるのだろうが、その「世の中の普通」が苦痛と感じる人も多くいるのだ。

 

その代表としてよくあげられるのがASD(自閉症スペクトラム障害)かもしれない。

 

視覚や聴覚に入る情報が多すぎてうまく処理できなくて苦痛を感じる人がいる。

 

赤ちゃんの鳴き声や子どもの感高い声が苦手な人も多い。

 

またはASDではなくとも、精神的に辛い状態で人の多い場所に行きにくいという人もいる。

 

落ち着いた、静かで少し照明の落とされた空間での買い物だと負担が少ないと思う人は結構多いのではないだろうか。

 

店員が通路で作業をしていないという事は、車椅子利用者にとっても大きいメリットだろう。

 

ニュージーランド人の感覚はどうかわからないが、日本では車椅子利用者は周りに気を使う場面が多いからだ。

 

 

試験期間中にたまたまその時間に出くわして利用したことがある。

 

私はASDや精神障害そのほか特になんの診断も受けていない。

 

しかし、利用しての感想は「快適」だった。

 

時間帯もあるのだろうが、利用客は少なく少し薄暗い(と言っても十分明るい。普段のスーパーが明るすぎるのだ)

 

そんな環境でいつもよりのんびりショッピングを楽しむ事ができた。

 

カウントダウンのホームページによると

“We want our supermarkets to be welcoming and inclusive for all New Zealanders and their families. We know grocery shopping can be an anxiety-inducing experience for some customers and we wanted to help with that. By making a few small changes and creating a Quiet Hour, we hope we can make a big difference.”
 

私たちカウントダウンは全てのニュージーランド国民を歓迎します。一部のお客様にとって買い物は不安を覚えるものであり、クワイエットアワーによってその不安を軽減したいと思います。

少しの変化でクワイエットアワーを設ける事により、大きな変化を生み出せると思っています。

 

大手のスーパーマーケットがあらゆるお客さんのニーズに合わせようとしている事がよくわかる。

 

また、

“The lovely thing about Quiet Hour is that we have had very positive feedback from so many customers. Our older customers seem to really enjoy Quiet Hours too, as well as many other Kiwis  who actually just find shopping a bit stressful and can now visit at a more peaceful time,”

 

クワイエットアワーについて、多くのお客様からとても肯定的なフィードバックをいただいております。高齢者のお客様もこの時間を楽しまれ、他のお客様もショッピングは少しストレスの感じるものだと気づき、そして今はこの落ち着いた時間に買い物をすることができます。

と述べている。

 

実際に私が体感した通り、多くの人が刺激の少ない環境で落ち着いて買い物を楽しめているのだ。

 

そして利用時間中に見かけた光景で印象的だったのが、大きな声で電話通話をしていたお客さんに対してきちんと店員が電話を終えるように促していたこと。

 

ただなんとなく上からの命令でやっているのではなく、店員一丸となってクワイエットアワーを作り上げようとしているのかなと感じる場面だった。

 

 

仕掛け人はスーパーじゃない?

この取り組み、もちろん主体はカウントダウンなのだが、カウントダウンにアドバイスし、一緒に作り上げたのがAutism New Zealand

 

もうこれを見た時 私は感動した。

 

日本語に訳すと「ニュージーランド自閉症協会」みたいなものだろうか。

 

自閉症のニュージーランド全国組織。

 

日本の感覚では障害者団体はどうしても弱者なイメージが強い。

 

そんな障害者団体が、全国に180店舗を構える大手のスーパーマーケットとタッグを組み、こんな素敵な変化を生み出しているのか、と思うとワクワクした。

 

 

大手だからこその意味

ニュージーランドは何かを変える時、少しずつ徐々に周りの様子を見て反対意見をなんとか避けながら、、、というよりも大きいものがドッと動き出す印象が強い。

 

最近でいうと、クライストチャーチの銃乱射事件の後すぐに国の法律で銃の規制がすぐにかかった。

 

法律で環境保護の為に翌年にプラスチックの買い物袋を完全廃止にすると決まったあと、施行前にも関わらずカウントダウンを含む大手のスーパーがこぞってプラスティックの買い物袋を廃止(有料化)、エコバッグの推奨を率先して行った。

 

 

多くの人が利用する大手の企業や国が動くとそれに応じて国民は動かざるを得なくなる。

 

そしてその変化が習慣化されれば人の意識と行動は自然と変わって行くのだ。

 

 

今回のこの件も試験期間はあったにせよ、大手が動いた。

 

 

Autism New Zealand によるとニュージーランドには約8万人の自閉症スペクトラムの人たちがいるという。

 

ニュージーランド国民約480万人の60分の1に過ぎない人口だ。

 

身近にASDの人がいない人もいるかもしれない。

 

そんな少数派の声はなかなか大勢に届きにくいが、大手が動くと多くの人に伝わる機会が増える。

 

そしてクワイエットアワーについては一般利用者は“感覚過敏の人たちの為らしいけれども利用してみると自分たちにとっても快適だ” “こういうことがしんどいと感じる人がいるのか”と身をもって知る事ができる。

 

知ってもらう事、体感してもらう事それを一気に多くの人に提供できるのが大手の強みだ。

 

カウントダウンで始まったこのクワイエットアワーが他にも広がるのも時間の問題ではないかと個人的には感じている。

 

 

まとめ

・ニュージーランドの大手スーパーマーケットが始めたクワイエットアワー

 

・買い物に精神的な負担や不安を感じる人にとって心地よい時間づくりを目指す

 

・しかしそれは障害等を抱えた人だけに心地よいものでなく、一般客の中にもその時間を楽しむ人が増えそうなもの

 

・企画の仕掛け人はAutism New Zealand

 

・大手が動くとそれまでの常識が変わりやすい

 

 

今後のこの活動の進展に注目したい。

 

 

 参考記事

Countdown’s low-sensory Quiet Hour to be offered nationwide